愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『かみさまは小学5年生』すみれ

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小さい頃から神さまが見えるという、小学五年生の著者。

それにインタビューをする人や、出版に携わった大人たち。

前世は神さまだったそうです。

それにも多くの階層があり、全て男神の中で著者は一人女神だった。

神さまたちは押し並べて酒好きで酒癖が悪く、手を出してくるものもいたとか。

 

人により感想は様々でしょう。

わたしはある種の大人に対して吐き気を覚えました。

『中央公論』

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政治などを題材にした雑誌です。

今までこの手の本は読んだことがありませんでした。

しかし、たまたま図書館の無料で差し上げますコーナーにあったので、手にとってみた次第です。

それにしても、まずは政治がこのような紙の媒体で論じられていることに、少し驚きました。

まあ、考えればあるのですよね。

それもきっと、ずっと昔から。

数年前の書物なので、記事によっては答えが出ていたりして、とても興味深く読めました。

 

『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク』石田衣良

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オレオレ詐欺にも、こんなバリエーションがあるか!

 

趣味は色々だけど、醜悪なものもある。そしてネットの発達により、そんな人間たちがお互いに接点を持てるようになった。

 

社会で話題になっている現象や事件をテーマにすることが多い、池袋ウエストゲートパークのシリーズです。

表題作は、児童虐待をテーマにしたもの。

事件は解決するけど、今もどこかで同様のことは起きているのですよね。

何ともやりきれない気持ちになります。

『山椒魚戦争』

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山椒魚がある入江で発見された。

その山椒魚は二本足で立つようになり、人の言葉を覚えた。

 

物語のような、新聞記事のような、論文のような、様々な文体で書かれた本書は、どうなるのか先が読みにくいです。

筆者の意図がどこにあるのか?

それもわかりにくいのですが、ユーモラスでもあり、難解でもあり、深く思考させられるところもあり。

それにしても、タイトルは、山椒魚戦争なんですよね。

『冷酷 座間9人殺害事件』小野一光

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自殺希望者をSNSで探し、アプローチをする。

そしてお金を奪い殺害する。

事件発覚当時は、自殺に対して特別な思いのある人物による犯行か、と噂されました。

 

本書はその犯人と面会した著者によるものです。

犯人は特にこれといった思考はなく、ただお金を引っ張りやすいから、という理由で自殺希望者を探したと、のたまいます。

ある時点で急に犯人から面会を打ち切られてしまい、取材は途中で終わってしまいます。

でも、それも犯人を表しているとも言えるでしょう。

何から何まで読中も読後も気分は最悪で、著者の手腕が素晴らしいのだと思い知らされます。

 

『筧千佐子60回の告白』

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後妻業。

センセーショナルな言葉で、大々的に報道された連続保険金殺人事件。

その犯人が筧千佐子です。

著者は留置所にいる被告と、面会をして何度も会話します。

それをもとに著したのが本書です。

犯人は認知症により、徐々にまともな思考や言動が難しくなっていきます。

そして最終的には死刑執行を待たずに、脳疾患による死を迎えます。

著者と、明るい普通のおばちゃんのように、普通に話す犯人。

なんともやりきれない思いになります。

『戦争漫画』

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少し前、昭和時代から、令和までの間に書かれた戦争漫画のオムニバスです。

実に様々な漫画家さんたちが、短編を書いています。

実際の日本軍による戦争の話。

仮想や近未来の戦争の話。

などなど、数多く収められています。

漫画だから表しうる、グロかったり残酷だったりするお話。

笑えるわけでもすごいうまい絵でも無いけど、とても考えさせられるお話。

漫画って本当に良いですね。

そして、戦争はやはり良くないです。