愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『認知症の私からあなたへ』

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認知症

程度の差はあれ、ほとんどの人がなり得る病気です。

長生きは良いけれど、大変なことは出て来ます。

あちこち痛かったり、不自由だったり、我慢がきかなかったり。

その中でも、脳の変化から考え方や行動が変わるこの病気は、なかなかに不便なようです。

それでも著者のように、工夫で少し過ごしやすくなるかも知れません。

健常な時と同じではないでしょうけど。

でもそれが、加齢と言えるのではないでしょうか。

『破戒 関東連合少年編』工藤明男

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関東連合という暴走族が、かつてありました。

近年では、半グレの代表として様々な事件に名前が出てきていました。

本書はその中心人物の一人が著者で、少年時代の活動を書いています。

当たり前だけど、酷い事ばかりしています。

ここから大人になるまでに何を学ぶか、どんなモラルが身につくか。

 

現在著者は、謎の非業の死を遂げたそうです。

『私、パチンコ中毒から復帰しました!』

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パチンコはギャンブルです。

だから趣味とも言えるけど、依存症になってしまう危険性を抱えているんですよね。

一般的には中毒とも言います。

本書は、実際にその状態になり、そこから逃れることが出来た人物が、自身の体験を元に書かれています。

良かった?

しかし著者は、復帰するまでに家庭崩壊し、人生は狂ってしまっています。

 

パチンコ中毒は病気です。

でも、それを周りの人に訴えても理解は得られず、かえって言い訳をしている見苦しい人にみえる。

自身の経験がそのまんまで、実に説得力があります。

本当に恐ろしいですよね、依存症。

『明日のマーチ』石田衣良

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正規雇用の若者たちが一斉に解雇される。

というよりは、雇用を延長しないだけなのかも知れないですけど。

今の日本ではありふれた光景のはずです。

さて、そんな日々から逃れるのは、なかなか難しい事です。

それをこれらの若者たちは何とか変えようとしているのと、そうでもないのと。

とにかく東北から東京まで、とにかく歩き通します。

ハラハラするけどさわやかな。

現実はそうではないということは、とてもわかってしまうのですけど。

それでも希望を持てる、明るいお話です。

『酒乱の眼』風見豊

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酒乱。

一般的には、お酒を飲んでいる時に常軌を逸した振る舞いをする人を、そう呼びます。

しかし本書を読むと、それだけではない事がわかります。

お酒はその人の脳を蝕むため、飲んでいない時間さえも支配していくのだと。

著者の生い立ちには、とても困難な状況がありました。

だから、では無いですけど。

その分幸せになって欲しいと、切実に思いました。