数十年ぶりにでた、『窓際のトットちゃん』の続編です。
前作では小学生だったトットちゃんは、本作で健やかに成長して、伸びやかに生きていきます。
何ともチャーミングな人なのですよね、トットちゃん。
読んだらきっと、みんな好きになること請け合いです。
他者からの承認が欲しい、何かに当たっていきたい、手応えが欲しい
→でも勇気がなくて出来ない
個人の時代
→孤独の時代
死について書いた、デス・ノベル
自我の孤独、は明治になり新しくできた
→今日的な自死の始まり
高等遊民:高い教養を持ち、人品もしっかりしているのに、社会に出ず家にこもっている人たち
俗世に汚れない知性へのしたわしさ
浮世離れしたきれいさ
自分がこの人だ、と見込んだ人が、先生
そのような師弟関係は実の親子に等しい
いい先生は自分の血肉を若い人たちに分け与えたいという熱意をもつ
恋は罪悪です
もう取り返しがつかないという黒い光が、私の未来を貫き、一瞬で全生涯を照らした
卑怯 ↔️ 真面目
いつでも解消できる関係
→その分、誠実、緊張、真面目になる
個人は死ぬかが、類として永続する
→死は怖くない
読者は小説の主人公の生を受け取る
日本人の道徳意識や思考方法という日本文化の解説書
武士道は文字に書かれた掟ではない、口伝や格言
おちつき、生に執着せず死に親しむ
主君への忠、先祖の崇拝、親への孝、謙譲
君臣、父子、夫婦、兄弟、朋友の関係
※それ以前から日本人の反応として知られていた
名誉:もっとも重要、命よりも、主君への忠義も名誉のため
これは世間が認定するもの
欧米では「日本は好戦的で野蛮」というイメージ
『武士道』がそれに反論した
切腹も擁護した
潔く死ねれば、武士の名誉
名誉は利害と無関係
義理:人として武士として行うべき道
一分:これをしないと「この自分の気持ちがすまない」という心の動き
礼:泣く人とともに泣き、喜ぶ人とともに喜ぶ
顔で笑って心で泣いて
好意を「謙譲」で表す
米人は好意を「主張」する
「恥」を恐れよと、武士の子は一番に教えられる
武士はその身分という一点で、平等の存在だった
微笑みの文化
苦しくても不平を言わず耐える
相手を思いやり、感情を抑える
→ 外国人からストイックに見られる
人格の形成が第一
技術的な才能は軽視された
武士が刀を抜けば、必ず相手を切り留めねばならない
また、切腹が命じられる
→刀を抜いたら、その武士は必ず死ぬ
どちらにしても武士道は死ぬことになる、という諦め
職人も農夫も面目と名誉を重んじていた
桜は華美でなく、色淡く、何より潔く散る
武士道では金銭が汚いとする観念がある
欧米の主な国は、自らの価値観、論理をスタンダードとして、その他の国へ押し付けてきた
日本には日本の、グローバルスタンダードではない文化がある
武士とドン・キホーテは似ている
東日本大震災での日本人の振る舞いは、静かな威厳、だった
まさに克己心のあらわれ
言葉で心の中を伝えたり語ることは出来ない
解脱は教義では授けられない
世界は、全ては、そのままそこにある
不安を感じても何の役にも立たない
自己の法則と軌道で歩く
一切の生命の統一
聴くときは己が耳になり切る
時は存在しない
「ある物」は常に「全ての物」である
完成者は、安らかで静かで清らかに微笑む
太古の昔、火の周りに人は集まり、集団で幸せに暮らせるようになった
生、死、労働
この三つを切り離したのが、現在の建築
その家には暖炉と囲炉裏という「火」があった
「窓」があった→自然という他者に開かれていた
建築は住人の考えを映す
建築は価値実現の意図を持ち、作られた建物
住人の記憶の器でもある
科学と芸術
空間は人を包む存在
立面図は美しさを示すために書かれる
20世紀は機能的で場所を選ばない、モダニズム建築
建築の空間に対して感じたことを言語化する
→ 自分が世界をどう捉えているか、がわかる
絵を描く、日記、詩、俳句、短歌、写真、話す、どれでも可
建築家自身と解釈が違っても良い
常にもっと出来るのではないかという、自分への眼差し
ダニが感じるのはたった今三つ
動物の匂い
しがみついた毛の感触
皮膚の温度
これが世界の全て
考えるな、感じろ
特に皮膚や空気に触れる感覚
ホッとする空間を作る
窓、神棚、仏壇を通して外の世界とつながる
学ぶほど、自分は変わっていく
本棚で自分をチューニングする
手入れをする
変化に順応し続ける
完成を急がない