愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『小林一茶』大谷弘至編

俳人である小林一茶。 素晴らしい作品の数々を残していて、とても有名です。 しかし、松尾芭蕉らに比べると、そこまでメジャーではないかも知れません。 本書は、一茶の作品とその解説を順番に辿る事により、その人生も見ていくことができます。 やせがえる…

『〈愛国心〉に気をつけろ!』鈴木邦男

国を愛することを突き詰めると、人を殺す事になる? 愛国が往々にして排外主義やテロに走ることがある 集団であることは暴走する危険がある 集団から外れたり脱出したりしにくいのが、日本社会の特徴 1990「天皇に戦争責任はある」と発言した市長が右翼に銃…

『人形と人間のあいだ』菊地浩平

相手の個人的な話を聞くのは難しいけど、人形を間に入れるとハードルが下がる 人形供養:人形版のお葬式 厭魅:人形を用いた呪術 1870年(明治)の法律でも禁止されていた 現在でも一定数の藁人形関連事件は起きている 共生:各人が対等に話し合った末に可能に…

『落語はこころの処方箋』立川談慶

落語とは人間の業の肯定 落語は会話だけで成立している。 仏教の説法は人間の弱さを許して手を差し伸べる慈悲 →噺も一緒 噺家はふざけるのが商売 文化の笑い 江戸時代に政権が続いたのは、江戸っ子が金を使って経済を回していたから YES or NO?と聞かれたら…

『昭和の品格 クラシックホテルの秘密』山口由美

ある時期から日本には、クラシックホテルというジャンルのホテルが出来ていきます。 それらは明確に、クラシックな物にしようという意図をもち作られて、さらに維持されています。 本物、高級、老舗。 そのどれもがあって、それらだけでは語り尽くせない。 …

『古代研究 折口信夫』上野誠

二次大戦敗北後、日本語廃止論まであった 日本史の古代は奈良・平安時代を指す 円環のようにみる 全体を見る あらゆるものが多様で、同時に一つでもある 2500年前に生きた人も、自分と同じ人間 知識以上に「感じる」ことがたいせつ 天国 = 極楽 = 常世の国…

『道をひらく言葉』

様々な著名人の人生を送る中で出てきた言葉。 それらはまさに、人生に迷ってしまいそうなときに、道をひらいてくれるものです。 言葉が救ってくれるのか、それらの人々がどうにかこうにかしてきた事実が、人に勇気を与えるのか。 誰もがそれぞれの 人生を生…

『人生に役立つ都々逸読本』柳家紫文

都々逸なんてよくわからない、と言う人は多いでしょう。 ところがところが、日本人なら誰もが知っている歌やコピーなど、都々逸は溢れているのです。 軽妙なリズムと、堅苦しくない内容。 こんなのとっても良いんじゃないですかね、今の時代に。

『100文字SF』北野勇作

ショートショートという、短編の分野があります。 星新一氏が、その代表的な作家です。 とても短いお話で、最後にエッジの効いたオチがある、という物です。 本書では、それをさらに短く100文字でしよう、という試みがなされています。 というよりは、作者に…

『高学歴モンスター』

高学歴の人は受験問題を解く、という事に長けています。 それ以外は、特に何も無いのですけどね。 プライド 優越感 エリート意識 からの、自分は何をしても良い、という利己的な考え方。 本書は高学歴のモンスターの思考回路や行動を、実例を出して解説して…

『極限メシ!』

色々な場所であったり、状況であったり、人生や社会には、実に色々なことがあります。 本書はその中でも、極限状態における、食事を主題にしています。 生きていくのに食べることは必須です。 その重要さは、どんな状況でも変わらないのでしょうね。

『週末島旅』

日本にはものすごい数の島があるのはご存知でしょうか? 有名なものだけでは無く、あまりよく知られていない物も含めたら、それは実に膨大な数になります。 そういう島に旅行すると、どんなことが待っているのでしょうか。 本書では、普通の観光地ではおそら…

『東京わざわざ行きたい街の本屋さん』

本屋さん。 売っているものは本、という意味では同じです。 しかし、それぞれのお店は実に様々です。 思えばものすごい数の本が存在して、それも新刊が出たり絶版になったりしているのですよね。 何を置くかでも、かなり特色が出るはずです。 立地、外観、内…

『探検!東京国立博物館』

東京は上野にある、東京国立博物館。 近くに動物園もあり、大きな公園もあり、実際に入ったことはなくても、その存在を知っていたり見たりしたことがある人は多いのではないでしょうか。 そんな博物館の中にはどんな物が陳列されているのか? 本書は実際の職…

『現代刑務所作法』

今の刑務所って、どうなってるの? 大半の人は、そんなこと知りません。 いや、むしろ知りたくもないでしょう。 でも、あるいは怖いものみたさか。 はたまた、もしものためにか。 知っておいても損はないはず。 というわけで、本書はイラスト付きで、今の刑…

『禁猟区』石田衣良

保育園に通う子を持つ母たち三人。 その人たちが、モデル男子と会って、そこから先の交際を求められたら? 本書では、十分に裕福な彼女たちがそんな出来事に会ったそな後が、実にスリリングに語られています。 どうしても穏やかに、また、幸せに済むはずの無…

『総員玉砕せよ!』水木しげる

もう数十年早く生まれていたら、私たちは戦争に巻き込まれていたのですよね。 本書では、兵士として南方の島に行った人たちの、実に悲惨な有り様が描かれています。 一般市民として生活していたはずなのに、故郷を離れて縁もゆかりも無い土地に行かなければ…

『払ってはいけない』荻原博子

生きて行く上で、どうしたらお金に困らずに過ごして行けるか? これは資本主義に暮らす多くの人々にとって、避けて通れない問題ではないでしょうか。 本書はその方法として、無駄遣いをしない、つまり払ってはいけない、という部分について数多く紹介してく…

『人生はそれでも続く』

有名な子役がもはや露出しなくなったら、人々はきっと忘れてしまうでしょう。 甲子園や国立競技場で名シーンを見せた高校生も、プロにならなければその後は知られる由もありません。 本書は、そんな元有名人のその後を取材した、ルポルタージュです。 出来事…

『子どもの漫画100の世界』

私たちは漫画で育ったんだなあー。 本書を読んで、切実に思いました。 日本は漫画やアニメが世界的に素晴らしい、と言われて久しいです。 そういう業界にいるわけでは無い、私のような一般人は、特にその恩恵を浴びているわけではありません。 と、思ってい…

『絶対動物調査ファイル』

絶滅してしまった動物たちの図鑑です。 ニホンオオカミ アホウドリ 各種恐竜 などのメジャーなものから、初めて名前を見るものまであります。 歴史上、生き物は新たな種が生まれ、色々な種が絶滅していきました。 2度とは戻れないこれらを記録しておくと、き…

『新移民時代』

移民問題。 近年では、問題というふうに取り上げられることも、増えてきています。 古くは大陸や半島から、帰化した人たちがいました。 今はさらに多くの国から、より多くの人が日本に来て生活しています。 本書はそれらの実態を紹介しています。 いいことも…

『初等科修身』矢作直樹 解説

小さい子が善悪を覚えるのに、学校での教育も大きな役目を果たします。 また、何を美しいと感じるか。 何を理想とするか。 日本人なら知っておきたい話や人物や美意識は、あります。 まずは義務教育で、余すところなく全ての日本人が、それに触れておいてほ…

『時間と自己』木村敏 中公新書

精神分裂病患者は、自己が確実な自己性を有していない 特徴的な症状は、被影響体験とつつぬけ体験 分裂病患者は一般に現在の自己に否定的 自己が自己としての自己として十分に成立していない →過去を悔やんだり、変更しようとしたりする 自分の同一性が成立…

『日本の色図鑑』

とき色 ニビ色 えんじ色 藍色 日本にしか無い(と思われる)色は、実にたくさんあります。 藤の花だったり、鴉の濡れ羽だったり、固有名詞ではないので、具体的に連想しやすいネーミングが多いのも特徴です。 今はあまり使われないかも知れませんが、これら…

『サッカー足ワザ大事典

いっぱいあるのですよね。 サッカーの足ワザが大事典になっています。 完璧にマスターしたものが一、二種類あれば十分な気もします。 でもディフェンスの場合は、たくさん知るに越したことはないでしょう。 初見殺しのようなワザもありますし。 見ていて楽し…

『あたらしい茶道』

茶道に興味はあるのですが、どうやって始めたら良いかわかりません。 そこで本書を手に取りました。 著者は海外て日本について聞かれた時に、満足に答えられないという経験をします。 そこで帰国してから、日本らしいものを身につけようと、茶道を学びます。…

『心に怒りの火をつけない』アルボムッレ・スマナサーラ

まずは怒らない、と決めること。 怒ったからスッキリするなんてことはない。

『恋文屋さんのごほうび酒』神楽坂淳

江戸時代の代書屋さん。 現代では書士さんが、揶揄されてそう呼ばれたりします。 しかし当時はそんな書士業はなく。 本書の主人公は、主に恋文の代書をしています。 艶っぽい話かと思いきや、妙齢の女性である主人公が、一人で美食と美酒を楽しむシーンがあ…

『裸の坊様』ネルケ無方

欧米ではたいてい神学教師による宗教の時間がある 科学信仰、経済信仰が日本では根強い 知恵の樹と生命の樹があった それらにふれてはいけない →遺伝子に触れてはいけない 『ファウスト』と『魔弾の射手』はドイツ人はみな読んでいる キリスト教は、イエスを…