愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『総員玉砕せよ!』水木しげる

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もう数十年早く生まれていたら、私たちは戦争に巻き込まれていたのですよね。

本書では、兵士として南方の島に行った人たちの、実に悲惨な有り様が描かれています。

一般市民として生活していたはずなのに、故郷を離れて縁もゆかりも無い土地に行かなければならない。

そこでの生活は不便で、職業軍人から理不尽に殴られ、命令される。

その際たるものが、タイトルの玉砕せよ!です。

実に丁寧に書き込まれた絵と、9割は実話だというリアリティ。

これが少し上の世代のご先祖たちなのだと思うと、とても胸が痛みます。