愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『大家さんと僕と僕』矢部太郎

お笑い芸人の矢部太郎氏は、漫画家としての活動に舞台を移しました。 自身の住まいの大家さんとの日々を描いた自伝的な漫画である『大家さんと僕』は、大ヒットしました。 それで賞を貰ったり、さらに有名になったりと、様々な出来事があったようです。 本書…

『日本人と象徴天皇』

日本人は何をもって日本人と言えるのか。 古来からあるものに、渡来する人たちがいて、文化が流入して、生活が変わり、言葉も変わり。 全ては諸行無常で、日本人というもの自体も一定ではありません。 その中で、天皇の存在は日本の有史から常に一貫してあり…

『もう、貴方はいりません』

熟年離婚 男性が女性から離婚を言い渡されるという、実に恐ろしい現象があります。 日々の生活で不満を持ち続け、そしてついに、もう貴方は必要ないという、三行半を突きつけられるわけです。 必要だから仕方なく夫婦でいる、という場合は恐ろしいですね。 …

『騙されない!ための経済学』森永卓郎

騙されないように、と経済学を学ぶのは、少し大袈裟な気がします。 しかし経済の本質は、いかに売るか、生産するか、所有させるかなので、ある意味ではその気にさせられて買わされる、というのは正しい気がします。 一緒になってお金儲けのレースに乗らない!…

『香港デモ戦記』

自由に暮らせる場所が、中国に唯一ありました。 それが香港です。 しかし、そんな状況を変えようと、中国共産党は動きだしました。 多くの香港に住む人たちは、中国に、ではなく香港に住んでいる、香港人という意識なのではないでしょうか。 本書は、中国共…

『赤ちゃんの値段』

赤ちゃんには値段があります。 人種や月齢によって値段が変わります。 日本人の赤ちゃんは、比較的良い値段です。 おぞましい、という言葉が一番しっくり来ます。 出来れば知りたくもなかった。 それでも、こんな事を防ぐためには、多くの人が現状を知る必要…

館・館・園

今週のお題「急に休みになったら」 美術館に行きます、小さな。 それから図書館で借りた本を返して、新たな本を借ります。 最後に大きな公園で、歩いたりボールで遊んだりさっき借りた本を読んだりします。 これらは全部、家の近所にあります。 なんだか、と…

『我が家は前からソーシャル・ディスタンス』綾小路きみまろ

著者の漫談のネタ帳、のような著書です。 文字に起こしても面白いのですよね、著者の漫談は。 そう改めて認識させられます。 実際のステージでは、そこに間の取り方や、立ち居振る舞いや、声の大小やスピードが加わるのですよね。 そんなの絶対笑うよな、と…

『田園調布ホームレス』

田園調布にもホームレスの人はいるんですね! 好んでそこ、というわけではないのかも知れませんけど。 釣りが出来たり、閑静だったりと、意外に良い場所のようです。 いや、それでも楽ではないのですよね。

『誰もおしえてくれなかった源氏物語の本当の面白さ』

源氏物語は、世界最古の小説と言われています。 それもかなりの長編です。 だからこそ、読み通すのはなかなかに骨が折れます。 また、原文は古文なので、現代語訳が多く出されています。 本書ではそんな源氏物語を、数多くの人が読みやすいように、現代の視…

『読書会という幸福』

読書会とは、参加者が同じ本を読んできて、それについて話し合う会です。 参加者や課題本により、かなり違う内容になりそうです。 著者は何十年と続く、ある程度の固定メンバーで文学書を読む読書会に、参加してきました。 自分だったら選ばない本を読んだり…

『犬と猫の問題行動の予防と対応』

犬と猫は家庭で飼育されることの多い動物の、代表的なものです。 そして昆虫や小鳥やハムスターたちよりも、存在感があります。 その分、ないたり吠えたり噛んだりと、人が困ってしまうことがあります。 それらは問題行動と定義されています。 本書はそれを…

『揉まれて、ゆるんで、癒されて』ジェーン・スー

著者は体のあちこちが凝る。 それをあちこちのマッサージ屋さんで、ほぐしてもらう。 そしてまた、新たに日常生活を営んでいく。 本書はそんな著者のマッサージ屋さん体験記です。 好きなだけあり、とてもリアルな体験談で、感想も面白いです。 好きな人は、…

『ふるさとって呼んでもいいですか』ナディ

日本に難民として移住するというのは、どういうことか? 本書では、少女時代に一家で移住してきた著者の実体験が、とてもリアルに書いてあります。 日本語を喋れず、学校へも行けず。 そんな状況からでも頑張って逞しく生きて行く。 そして徐々に色々なこと…

没有

今週のお題「一生モノ」 数十年生きてきて、ずっとあるものは、無い。 確かに小さい頃から使っているものはあるけど、それらは形や色は変わり、前と同じ物だとは、言えないのではないか? 主義や思想も、生きて行く上で大なり小なり常に形を変えている。 体…

『世界が嗤う日本のジョーク』

世界には、国や人種同士のキャラクターや、それを元にしたジョークがあります。 時代によりそれは移り変わりがあります。 今の日本には、そのようなジョークは少ないように感じます。 たまに新聞に、風刺の一コマ漫画が書かれていることはありますが。 ジョ…

『新入社員、会議についていけません。』

業界用語 社会人用語 会社用語 そんなもの、新人にはわかりません。 いや、あえてわからないように隠語を使っているのでしょうか? 優越感をもちたいから? ケムにまきたいから? それしか語彙がないから? 私もさっぱりわからない言葉だらけでした。 新入社…

『香千秋』

綺麗 美しい そのように感じるのは、その人の感性とか教養とか好みとか、色々な物が混ざった結果として、現れます。 本書は多くの写真が使われていて、それらの解説が書かれています。 文字を読まなくても、大人向けの絵本として楽しめます。 読んだら、さら…

『女と男の絶妙な話。』伊集院静

作家である伊集院静氏の著書です。 男女間のことは、それぞれでみんな違う、と私は思っているのですけど。 だからこそ、このように他人の話を聞くのが面白いのかと。 著者は先日鬼籍に入りました。 ご冥福をお祈りします。

『僕の人生には事件が起きない』岩井勇気

ライトノベルは好きだという著者。 お笑い芸人です。 日常生活のエッセイなのですが、やはり目の付け所が違うのか、斜めから見ているのか、普通では無いように感じます。 事件は起きていないのかもしれませんが、普通のことが面白くなっています。 つい先日…

『突き抜けろ』三木谷浩史

始めた時は、社員がたったの数人でした。 仕事も飛び込みのような形で取る。 取れないことも、いや、取れないことがほとんどだったりして。 そこに仕事が入り、綺羅星のように優秀な人が入り、企業はどんどん成長していきます。 それにはやはり、著者である…

豊富な抱負

今週のお題「2024年にやりたいこと」 食べる。 寝る。 排泄する。 数十年間の人生で、してきたのはこれだけです。 人はやらなければいけないことなんて、実はなくて、やってはいけないこともない。 そんな存在かも知れません。 広い宇宙の中では。 そして、…

『10分で名著』

神曲、源氏物語、失われた時を求めて、相対性理論、ツァトラストラ、古事記、風と共に去りぬ、資本論 『わが闘争』は世界を動かしたのは確か 教養と財産がなければ出世出来ない社会 ナチ党は完全に能力に応じた機会を与えようとした エリートから国民主権を…

『実録 脱税の手口』

数年前にお笑い芸人の徳井氏が、脱税で事件になりました。 アダルト女優が脱税で、追加徴税されるということも、ありました。 しかし、それらの悪質性は、全く異なるようです。 実にありとあらゆるものに、税金はかかります。 そのため、知らず知らずのうち…

『異端の人間学』五木寛之 佐藤優

仏教の信者とキリスト教の信者である、それぞれ著名な作家さん。 戦争や投獄など、現代の一般人にはなかなか出来ない経験をしてきた彼らの、人間を見る目はどんなものか。 それでも、それだからこそ、なのか愛情を感じるのですよね。 考え方は違うのですけど…

『女のお悩み動物園』ジェーン・スー

様々なタイプの、悩みを抱える大人の女性たち。 彼女たちを動物園のどうぶつに例えて、楽しく解説しているのが、本書です。 面白おかしく、そしてイラッとくる。 それでもチャーミングなのかも知れませんね。 みんな色々考えているんですね。

『大阪人はなぜ振り込め詐欺にひっかからないのか』竹山

カンニング竹山氏の著書です。 自身が振り込め詐欺に狙われた経験から、我々読者がそんな目に合わないようにと、本書を著してくれました。 大阪は振り込め詐欺の被害が、極端に少ないそうです。 なぜか? 大阪のおばちゃんが、詐欺師から見ると、めちゃくち…

『沢村さん家のそろそろごはんですヨ』益田ミリ

三人家族の穏やかな日常を描いたシリーズ作品のうちの、一冊です。 ある程度年老いた両親と、大人の女性。 相変わらず色々なことはあるけど、何も起きないといえば起きなない。 それでも、何か難しいな、と感じます

『武士と忍者の戦い図鑑』

武士は戦いのプロで、戦がなくなったら、実質は用済みになりました。 忍者も戦いがなければ、あまり用はないのかも知れません。 しかし、現代のスパイ活動をしているという点で、武士とは大きく異なるようです。 むしろ平時こそ、その重要性は高いと言えます…

『井上ひさしの憲法指南』井上ひさし

反戦論者である著者による、憲法の解釈と、憲法擁護の意見を書いたものです。 本書を読むと、この憲法が平和維持のために素晴らしいものだと言うことが、とてもよくわかります。 ロシア 中国 北朝鮮 まずはこれらの国に、憲法を輸出することが出来ると、とて…