愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『無名人名語録』永六輔

著者は、全国津々浦々を旅しています。 本書は、その数々の行き先で出会った無名人の、名語録です。 著名な人が言ったことは、そのことだけで価値を持ってしまい、実は大したことを言っていない。そんなことが、往々にして見られます。 その点、無名人にはそ…

『ガン日記』中野孝次

兼好法師の『徒然草』や、哲学者セネカの著書などの解説書を書いている、中野孝次氏。 氏が体の変調に気づき、ガン治療のため入院するまでの日記です。 死後、氏の奥さんが遺品整理中に発見したもので、本人が発表するつもりで書いていたのかは、不明です。 …

『消された一家 北九州・連続監禁連続殺人事件』豊田正義

松永太という男が引き起こした、大量連続監禁殺人事件です。 裁判では松永太とその妻である緒方純子が共謀して、緒方の親族を次々に殺害した、とされています。 しかし著者の見解のように、松永以外の供述を組み合わせると、どうやらそれは間違っていると言…

親からみた好きなおやつ

今週のお題「好きなおやつ」 パンの耳に砂糖をまぶしたかりんとう アスパラガスという名前のバスケット セサミ入りのクッキー 小魚とピーナッツの混ざったもの 幼い頃、よく母親が出してくれたおやつです。 チョコレートやガムなどは、決して与えられません…

『アインシュタインの言葉』弓場隆

20世紀最高の科学者に数えられる、アインシュタイン。 実に多くの場所で、様々な発言をしています。 常人には無いような偉大な発想で、人類の発展に貢献した氏が、きわめて常識的で良心的な思考の持ち主であったことは、特筆に値します。 人生に意味を与える…

『話し言葉で読める南洲翁遺訓』長尾剛

南洲翁とは、西郷隆盛のことです。 本人は著書を残していないのですが、周囲の人が会話で聞いたことなどを、まとめているのが本書です。 リーダーになるには明確なビジョンと強い決意が必要です ものを作るのが最も大切全ての人を愛する。万民が我が子 人の…

『思い出す事など 私の個人主義 硝子戸の中』夏目漱石

日本における偉大な小説家である、夏目漱石のエッセイ集です。 無事に東京まで帰れたのは天幸である。 当たり前に思うのは、いまだに生きているからの悪度胸に過ぎない。名前やタイトルに騙されてくだらない本を読んだときほど残念な事は無い。 病気になる。…

『100分DE名著 純粋理性批判』カント 西研

カントによる『純粋性理論批判』の解説本です。 本書は人の理性の限界を明らかにしようと試みています。 そして、宇宙の果てや神の存在など、究極の心理に対する問いに答えは出ないとしています。この本以降、神の存在を試みる者がいなくなり、それがこの本…

『PRESIDENT株・投資超理解』

プレジデント。 社会人向けの自己啓発や経済関連の雑誌です。 学生の頃に読んでいた、チェックメイトやホットドッグプレスの延長、といったところでしょうか。 今回は、株や投資についてです。 年収一千万円を超えているけど貯蓄がない人は、チャンスです。 …

おじいちゃんもおばあちゃんもいない、らしい。

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」 生まれてすぐのウチのムスメが、実家の両親と初めての対面を果たしたときのこと。 「あーちゃんだよ、こっちはいーちゃん」 母が、ウチのムスメに自己紹介しました。 おばあちゃん → あーちゃん おじいちゃん → い…

『しあわせのねだん』角田光代

『幸福な遊戯』、『対岸の彼女』などの著者である、角田光代氏のエッセイです。 買ったり食べたり飲んだりした、様々なものの値段と、それにまつわる話が綴られています。 昼めし980円 電子辞書24800円 という具合です。 元々は編集者が著者に、家計簿でエッ…

『上機嫌の才能』田辺聖子

関西弁で数多くの恋愛小説を書いている、田辺聖子氏の著書から、様々な名言を集めたものです。 ご自身が、大きい連れ子さんのいる医師と結婚したり、様々な経験があるようです。 そのためか、名言に多くの含蓄を感じます。 自分を笑って、それでおしまい。 …

『今日も傍聴席にいます』朝日新聞社会部

実際に行われた裁判の様子を、実際に傍聴席で見たライターによる、裁判記です。 球界の番長による、覚醒剤の公判。 コント日本一に輝いた芸人による、制服盗難の公判。 その他にも、各種の有名な事件の公判が、数多く紹介されています。 なんでそんなに傍聴…

『田中角栄新名語録』小林吉弥

ある年代より上の人には知らない人がいない、と言っても過言ではない政治家です。 日中国交正常化など、業績も素晴らしいです。 人はお金の世話になることが何より辛い 相手を助ける場合、もらっていただく、という姿勢で渡す 葬儀を最も重要視する 絶対に人…

ごはんにお供

今週のお題「ごはんのお供」 ルーシーは室内飼育のマルチーズで、元気いっぱい、食欲いっぱいです。 わたしと妻に、よくくっついて歩きます。 リビングに座っていたら、寄り添ってきて眠ってみたり。 トイレに行く時はついてきて、終わるのを扉の前でひたす…

『今日からワーキングプアになった』増田明利

ワーキングプア。 低賃金での労働を余儀なくされている人たちがいます。 リストラ、倒産、体調不良など、人は実に様々な理由で、あっという間に現在の生活から、転落してしまいます。 本書は、具体的な事例ごとに、職業や状況や収入が書いてあり、イメージし…

『まど・みちお詩集』谷川俊太郎編

詩は一般的な文章とは、異なります。 本書は、詩人まど・みちお氏の詩集です。 詩だけでなく、随筆も挟まれています。 そのため、詩に込められた思いがわかり、とても読みやすいです。 人を愛する、生物を愛する、無生物を愛するのは、それぞれ違う。 著者の…

『大人のための日本の名著50』木原武一

著者には、よくもまあ、これだけの著書を読んだなぁ、と感服します。 それも、他者にわかりやすく解説できる、というレベルにまで理解しています。 『善の研究』 『いきの構造』 『あまえの構造』 『こころ』 様々な分野から、それこそ名著を紹介しています…

『殺しの許可証』馳星周

公安にとばされてしまった主人公と、その上司である、切れ者だけど頭がおかしくなってしまったと目される椿警視の物語です。 公安だから? お金持ちだから? 凄腕だから? 合法なのか違法なのか? とにかく力技で、事件を好転させて、解決してしまいます。 …

『人生の極意』佐藤優

元外務省の外交官、現在では作家の佐藤優氏による、人生相談集です。 相談者に本をひいてアドバイスをする、というコンセプトです。 引用があったり、その著書を紹介したり、とても親切です。 多くの読書をしてそれが身についている、著者ならではの回答に、…

『男の覚悟』安藤昇

戦後の愚連隊から安藤組を立ち上げ、解散後に映画俳優、そして作家、プロデューサーとして活動した著者の、自伝的な著書です。 安藤組は、スーツでファッショナブル、花形敬や作家の阿部譲治がいたこともあり、有名です。 みかじめ料を取り、賭場をひらき、…

何があっても、幸せに生きる備え

今週のお題「もしもの備え」 もしも、は来る。 ことは、誰にでもあり得る。 かも知れない、と考えなければならない。 対岸に火事があるとしたら、こちらもいつか火事になり得る。 なぜ人は、自分には悪いことは起きない、と考えてしまうか。 否、悪いことが…

『めくるめく現代アート』筧菜奈子

現代アートを楽しく紹介するという著書です。 アーティストとキーワードのパートで書かれています。 アーティストパートは、芸術家の略歴と代表作とその説明。 さらに、豊富なイラスト付きです。 キーワードパートでも、ワードの説明だけでなく、多くのイラ…

『東京の小さな美術館・博物館・文学館』増山かおり

東京の各地にある、様々な美術館、博物館、文学館を紹介しています。 絵画や彫刻、歴史、オルゴール、切手、植物など、実に多種多様です。 これから行く場所を探すのに、とても良い一冊です。

『きょうのゲイバー』TSUKURU

ゲイバーのママが主人公のマンガです。 ママは、会社で昇進の事例を受けたその足で、土地を契約してお店を開きました。 会社で認められるより、そちらの方が幸せだと気づいたのです。 それにしても、ずいぶん思い切りのよい話ですね。 お店に来る人たちとの…

『方法論序説』デカルト 訳落合太郎

かなりの業績を残した哲学者であるデカルトの、代表的な著書です。理性はすべての人に平等に備わっており、正しく用いればだれでも精神を最高に高めることができる。 哲学には完全な結論が出ていない命題がたくさんある。真理は1つのはずなのに、多様な意見…

『HSK中国語検定最強の学習法』三宅裕之

中国語は、日本人にとって学びやすい言語だと言われています。 漢字を使っているからです。 ただし、発音はかなり違います。 そのため、単純に簡単とは言い切れません。 シャドーイングを中心に行いましょう。 これは、ネイティブの発音を聞きながら、ほぼ同…

『出世する人の英語』

どんな英語が、ビジネスパーソンとして出世可能となるのか? 本書はそれをわかりやすく説明しています。 一般に考えられているのとの大きな違いは、必ずしもTOEICなどで高得点に取る英語力と同じでは無い、ということです。 必要なのは、察してもらうという…

『教養としての投資』奥野一成

今週のお題「読書感想文」 教養として投資を身につけ実践しよう、というのが著者の主張です。 投資もビジネスも、真剣に結果に結びつけるプロセスは同じです 自分のスキルを能動的に使い、自己および他社へ長期投資しましょう 株に投資すると言う事は、その…

『暗手』馳星周

今週のお題「読書感想文」 暴力、騙し合い、女、金、殺し。 ハードボイルドで数多くの作品を出している、馳星周の著書です。 プロ野球の投手だった加倉は、台湾で八百長に加わり、悪霊と呼ばれる殺し屋になり下がる。 ここまでが、『夜光虫』という前作で綴…