愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

レイシストという言葉が、この物語のキーになります。 主人公は白人の父と日本人の母を持つ少年。 著者である母との対話や、学校での出来事を中心に物語は進んで行きます。 人種差別、階級差別、子どもと大人。 それぞれの違いや問題が提起される出来事が、…

『知識ゼロからの近代絵画入門』山田五郎

本書では、近代の絵画、すなわちルネサンスよりも後の絵画を、解説しています。 著者は山田五郎。 博識なのは存じていましたが、仕事柄、絵画が専門なのですね。 本書の経歴で初めて知りました。 近代絵画で大きく以前と変わったのは、宗教画では無いものが…

『今日は死ぬのにもってこいの日』ナンシー・ウッド

インディアンの長老に話わ聞いて、それをまとめたのが本書です。 ユダヤ教やキリスト教の集まりでも、朗読されることがある、とても有名な詩だそうです。 かなり独特な表現の言い回しが多いです。 場所がアメリカなので、その風景が浮かんでくるような描写も…

『ゴールデン街コーリング』馳星周

『不夜城』、『マンゴー・レイン』、『漂流街』、『虚の王』などハードボイルド小説を多く書いている著者。 犯罪絡みの話が多いのですが、今回は珍しく普通の大学生が主人公です。 北海道の、田舎町に住む高校生だった主人公。 ハードボイルド小説の評者に勧…

『傘をもたない蟻たちは』加藤シゲアキ

ジャニーズのアイドルでもあり、作家でもあるという、著者。 特別な偏見がるわけでは無いのですが、今まで手が伸びませんでした。 初の短編集が出たというので、それなら読みやすいか、と思い手に取りました。 美大生同士の少し奇妙な、それでいてみずみずし…

『それって、必要?』筆子

著者はカナダ在住のミニマリスト。 20代からシンプルライフをしている。 そんな著者が提案方式で、いらないものに縛られずに人生を送る方法を、伝授してくれます。 いらない物を捨てる。前より人生は良くなる。 買わない まだ使える、でも捨てよう。 家事を…

『ビジネスマンのための発見力養成講座』小宮一慶

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 (ディスカヴァー携書) 作者: 小宮一慶 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日: 2007/09/13 メディア: 新書 購入: 13人 クリック: 274回 この商品を含むブログ (132件) を見る 他人よりも発見力…

『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』市橋達也

英国人のリンゼイ・アン・ホーカーという女性が殺害された事件の犯人が著者。 著者が、まさに警察に捕まりそうになりながら辛くも逃げ出し、逃亡生活の末に逮捕されるまでを描いた手記です。 殺人犯がどのように潜伏するか?がリアルに書いてある部位が、興…

『五輪書』宮本武蔵

著者は宮本武蔵。 知らない人は、ほぼいないでしょう。 しかし、その主著である本書を読んだ、という人はそこまで多くはないかも知れませんね。 宮本武蔵は二天一流という、流派の開祖になろうとしていました。 本書は、その流派の剣法を解説しているもので…

『田辺聖子の人生あまから川柳』田辺聖子

小説家の田辺聖子が、様々な川柳に感想を交えた解説をしている著者です。 何がおかしいとライオン顔を上げ この句はいかにも百獣の王ライオンらしい、笑わないから。 トラやクマではダメです。 かかるときポン出したい金がない なんぼでもあるぞと滝の水はお…

『このムダな努力をやめなさい』成毛眞

ビジネス界きっての読書家として知られる著者。 読むだけでなく『本は同時に10冊読め!』、『勉強上手』、『大人げない大人になれ!』など、数多くの著作がある。 著者は、これからの時代は闇雲に努力をして消耗するよりも、やりたいこと、好きなこと、得意…

『考えない練習』小池龍之介

近年では脳科学が発達してきて、この機能を高めていこう、とか、脳や体がどれだけ素晴らしいか、と言われるようになってきています。 しかし、脳も臓器の1つだと考える必要があります。 脳に任せるのではなく、考えをコントロールして自由に思考するのが、本…

『新・四字熟語』又吉直樹 田中象雨

お笑い芸人で芥川賞受賞の又吉直樹が、四字熟語を創作して、その解説をしている作品です。 田中象雨が、その四字熟語を筆で書いた物も、一緒に出ています。 なるほどね、と思うものや、笑ってしまうものが、たくさん紹介されています。 これを読んで、自分で…

『宝くじで1億円当たった人の末路』

人生には、様々な出来事があります。 それにより、どんなその後が待ち受けているのか? 実際には、私たちが考えているのとは、少し違った結末を迎えることもあるようです。 宝くじで一等が当たったら? 自己破産や一家離散が待っています。 友達ゼロの人は?…

『友達は無駄である』佐野洋子

著者は『100万回生きたねこ』などの著書で知られる、佐野洋子。 谷川俊太郎がインタビュワーを務める対談形式部分と、エッセイ部分とが交互に並んでいる。 北京に生まれて、そこで幼少期を過ごし、日本で親元で高校まで通って、東京に出て専門学校・大学へ。…

『投資家みたいに生きろ』藤野英人

投資をすすめる、投資家の手による著書です。 著者はひふみ投信で、投資を仕事にしています。 帯には堀江貴文の推薦が掲載されています。 貯金に逃げるな。この本は、もっと大事な人生の目的を教えてくれる。 将来に向けたお金の不安をなくす方法 1、若いう…

『雑談力』百田尚樹

ベストセラー作家であり、探偵ナイトスクープなどの番組を作る仕事をしている著者。 講演会の仕事も多く、その時は一人で何時間も喋り続けます。つまり、お話好きです。 そんな著者が、話し方を元に、雑談の上手な仕方を解説してくれます。 本書は、楽しい雑…

『ゼロからわかる!5000円からの骨董入門』尾久章三

壺、籠、花瓶…。 良い物は良い。 それも、かなりの値段になる場合があります。 何故高いのかが知りたくて、本書を手に取りました。 ちなみに今の私には、100円ショップのお茶碗と骨董品の区別が、甚だ心許ないという状況です。 5000円の骨董品。 10万円の骨…

『わかっちゃいるけど、ギャンブル!』

様々な著名人が、各種ギャンブルについて書いたエッセイ集です。 遠藤周作、五木寛之、荒木経惟、畑正憲、沢木耕太郎、色川武大、寺山修司、蛭子能収、横山やすし、阿佐田哲也など、名だたるメンバーが連なっています。 テーマは、パチンコ、麻雀、花札、競…

『へんな西洋絵画』山田五郎

おじさん?女の子? 表紙の絵を見た6歳の娘から聞かれました。 お父さんにもわかりません。 西洋絵画には、へんな作品が数多くあります。 可愛くない赤ちゃん。 可愛くない女の子。 正体不明の動物。 (タイトルを見て、初めてキリンを書いたのだと分かりま…

『グレープフルーツ・ジュース』オノ・ヨーコ

最初に、ジョン・レノンの感想。 これは僕が今までに燃やした本の中で、最も素晴らしい本だ。 著者はビートルズのジョン・レノンと夫婦だった、オノ・ヨーコです。 詩と、それに合わせた写真が、ページ毎に配されています。 詩は短い命令調で綴られています…

『KGBスパイ式記憶術』

読者がKGBのスパイになったような視点で、物語が進んで行きます。 調べるべきターゲットが出てきたり、与えられた任務を遂行したりと、ワクワクするような展開です。 読んでいる間、気を抜いてはいけません。 区切り毎に、登場人物や出来事についての確認テ…

『変身』フランツ・カフカ

フランツ・カフカの著書で、最も有名な作品と言えば、この変身をあげる人は多いのではないでしょうか? 本書はその『変身』と、他一編が収録されています。 他一編とは『断食芸人』というお話です。 グレゴリーはある朝目覚めると、自分が大きな毒虫に変わっ…

『恋のトビラ』

5人の作家が書いた、ラブストーリーの短編集です。 作家は石田衣良、角田光代、嶽本野ばら、島本理生、森絵都。 どれも短く完結する、ラブストーリーです。 それにしても、作者の特色が出るものですね。 全て違うテイストです。 そして、どれも読後に幸せな…

『ソープランドでボーイをしていました』

著者は50歳男性で、妻と学生の息子がいます。 職を失い当座の生活をどうにかするために、ある程度の収入が得られる仕事を探していました。そんな時に、吉原のソープランドで住み込みの求人を見つけます。 東北に在住していましたが、単身で働く事を選びます…

『スヌーピー こんな生き方探してみよう』

小学生の頃、家の本棚に誰が買ったのか分からない、スヌーピーの漫画があるのを見つけました。 当時はギャグ漫画ばかり読んでいました。 そこに、大笑いが無いスヌーピーを読んで、とても不思議な感覚を覚えました。 スヌーピー、チャーリー・ブラウン、ウッ…

『すぐやる人の読書術』塚本亮

せっかく本を読むのなら、最大限にそれを生かしたいですよね。 本書はそのための方法を、紹介してくれています。 書いてある事に対して、自分が引っかかるフックを持っておくと良いです。 そうすると、その 内容は身につきやすいです。 これは、という文章は…

『つまずきやすい日本語』飯間浩明

怒らせるつもりでは無いのに、相手を怒らせてしまったり。 通じると思ったら、相手に全く理解してもらえなかったり。 反対に相手の言葉が、わからなかったり。 とかく言語は、思うように行かない場合があります。 書き言葉と話し言葉では、一定の違いがあり…

『pen books ユダヤとは何か。』市川裕

キリスト教とイスラム教の源流とも言える、ユダヤ教。 意外にユダヤ教について、しっかりと知らない人は多いのでは無いでしょうか? 恥ずかしながら、私はそうです。 そのため、本書を手に取りました。 ユダヤ教は、キリスト教でいう旧約聖書を聖典としてい…

『絶望名人カフカの人生論』

フランツ・カフカ カフカの前後で文学が変わった、と言われることがあるほどの、超文豪です。 実はそのカフカは、恐ろしい程の悲観的な人物なのです。 ありとあらゆる事に絶望し、悲観し、それを周囲に漏らすという、滅茶苦茶困った人なのです。 仕事が辛く…