愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『地面師』森功

積水ハウスが騙された事件で、一躍有名になった詐欺師。 それが地面師です。 土地を使って働く詐欺師のことを、そう呼ぶのだそうです。 戦後でどれが誰の土地かわからないような時期に、地面師は暗躍したのだとか。 それが令和の今の世の中でも、健在で蠢い…

『トールキンの世界』

『指輪物語』 『ホビットの冒険』 『シルマリルの物語』 トールキンには、金字塔とも言えるすばらしい作品があります。 本書はその中の一節をイラストとともに抜き出しています。 物語の名場面が思い出され、読書があっという間にそのシーンに連れて行かれる…

『ちょいエコで、ちょいモテ』テリー伊藤

私たちは地球上で暮らしています。 日々、様々な人から、さらには生き物や環境から、もっと言うと太陽からも、恵みをもらって生きています。 その恩返しが出来るか? むしろ借りを増やすだけの毎日と言っても、過言ではないはずです。 お恥ずかしい話ですけ…

うなぎとふぐと

今週のお題「となり街」 となりの街には『うなぎとふぐ料理』のお店があります。 メニューの通りで高級店なので、なかなか行こうとは思えません。 しかし、先日縁があって初めて家族四人で行ってみました。 なんか、凄かったです。 美味しいし、子どもも楽し…

『愛がいない部屋』石田衣良

あるマンションを舞台にした、様々な恋愛を描いた短編集です。 人の数だけ人生があり、出会いの数だけ恋愛があり、上手くいく恋愛もあればそうではない恋愛もある。 世の中は必然的に、上手くいかない恋愛の数の方が多くなるのですよね。 それでも、人はまた…

『外国人が見た幕末明治の仰天ニッポン』

ちょんまげ 和服 二本差し 思い浮かぶ見た目だけでも、当時の日本人は外国人から見ると奇異に映るように感じます。 さらには風習や思考法などになると、もはや理解不能、からの仰天なようです。 本書でそれがよく分かりました。 そして、当時の日本人を尊敬…

『なつかしい芸人たち』色川武大

昭和の芸人を昭和の文豪である著者が、数多く紹介しています。 現代の私たちには、名前を聞いたこともない芸人が、たくさん出てきます。 そして芸人という言葉は、今だとお笑い芸人を指しますが、本書ではというか以前はもっと広く芸事をする人全般を指して…

『天才はあきらめた』山里亮太

南海キャンディーズというお笑いコンビのツッコミ担当である、山里亮太氏の著書です。 お笑いを志して、大学に通いつつもお笑いの学校に行き、紆余曲折から売れてある程度の地位を得るまでを書いています。 いや、本人はそんな地位なんて考えていないのかも…

『サッカー鉄壁ディフェンス』岩政大樹

まずはディフェンスです。 相手のボールを取らなければ、お話になりません。 それにせっかく点を取っても、守備がザルですぐに取り返されたら、こんなに萎えることはありません。 割と常識とされてきたこととは違うことも、たくさん書いてあります。 それで…

『ステップアップ中国語4-6』

久しぶりに中国語の本を読みました。 勉強用のものです。 映画を紹介しているので、中国人の考え方に触れられる気がします。 時代や地域でも違うのでしょうけど。 色々な部分で興味深い著書でした。

自我

今週のお題「捨てたい物」 仏教では、自分というものなど無い、とされています。 何を言っているんだ?とよくわからない人は、詳しいところは専門書で見るのが良いと思います。 私もわかりやすく説明出来るほどは、わかっていないのです。 さて。 この自分と…

『変なおじさん』志村けん

残念ながらコロナで亡くなってしまった、超有名人です。 小さい頃から、たくさん笑わせてもらってきました。 そんな著者が、どのような下積みをしてプライベートを過ごしてきたか、ギャグや番組やコントのときに何を考えていたか。 本人にしか知り得ないこと…

『私という男の生涯』石原慎太郎

それはそれは色々なことがありましたね。 一人の人間の生涯は、本当に長いし深いです。 人により、好き嫌いがかなり明確に別れる人物ではないでしょうか。 著者は石原慎太郎氏、作家であり代議士であり東京都知事であり愛国者であり。 一般の人も、様々な側…

『中等歴史』

戦時下の中等学校で使用した、歴史の教科書です。 世界史の教科書、という方が近いかも知れません。 びっくりしました。 ちゃんとしているのですよね。 いや、それはそうだと言えば、そうなのですけど。 一神教もそれぞれ、ある程度ですがわかるようになり、…

商店会のお金

今週のお題「捨てたい物」 誰もやる気がない商店会がある。 そんな会は無い方が良いと、きっと誰もが思うような。 騙されるような形で、その会の会長にされた。 ここまで誰もやる気が無いとは、知らなかったのだ。 いや、気づかない自分が間抜けなのだけど。…

『カウンセリングの実際』河合隼雄

とても有名な心理学士である、河合隼雄氏による著書です。 自身が行った、実際のカウンセリングの事例などを、理論や背景などとともに紹介しています。 カウンセラーが、実際に何を考えているか? そこは本書のような物で無ければ、決して知りえない部分です…

『北海道悪徳刑事の告白 恥さらし』稲葉圭昭

悪徳刑事。 小説の中には良く出てきますけど、現実にもいるのですね。 いや、現実にいるから小説になるのか。 本書は、暴力団や警察の上層部や外国籍の犯罪者まで関わる、実在の刑事による自らの告発記です。 警察という、恐らく特殊な組織の中で、やむに止…

野生の氷

今週のお題「冷たい食べ物」 暑いから。 人は、アイスやかき氷や冷えた飲み物やらを、摂取します。 そして、それを自分の家の犬にも、与えたりします。 それで、吐いたり下痢をしたりと、体調を崩す犬がいます。 そんな話を聞くたびに、野生の犬は『暑いから…

『突然、僕は殺人犯にされた』スマイリーキクチ

ネットで叩かれる芸能人の、はしり。 走りと言っても全然嬉しく無いでしょうね、何とも酷い話です。 根も葉もない噂で、著者のスマイリーキクチ氏は、殺人犯だとネット上で叩かれ始めます。 顔も名前も知らない何の接点も無い人間から、全く身に覚えの無いこ…

『わたしを支えるもの』益田ミリ

アラフォーで独身一人暮らしのスーちゃん。 その日常は、穏やかだけど様々なことに心を動かされ乱されて、過ぎて行きます。 今まで見てきた不倫の中でも、最もハラハラしないものを見せてもらいました。 きっとあれで良かったのだと思います。

『粘着の人』守屋秀勝

元ストーカーが、ストーキング加害者を立ち直らせるための活動を始めました。 その顛末を書いているのが本書です。 著者はその当事者です。 自身の経験から、ストーカー自身をどうにかしなければ、その事件というか状況は解決しない。 そう確信して、ストー…

『貧困のハローワーク』

貧しければ仕事を選べない。 そんな事あるかな? そう思わないでもないのですが、やはりそうなのでしょうね。 それが本書を読むと、何となく分かります。 それでも選ばなければ、仕事はある、とも言えるのかも知れませんけど。

『ねじ式 夜が掴む』つげ義春

名作の呼び声が高い『ねじ式』を含む、つげ義春氏の短編漫画集です。 どれも哲学的というか、考えさせられるというか、独特な世界観です。 正直なところを言うと、よくわからない話も多かったです。 実はねじ式も。 ただ、わからない世界を見せてもらえたこ…

『ことばの贈物』岩波文庫

岩波文庫の様々な書籍から、至玉の言葉を書き出しています。 有名なお話から数行ずつ。 本来は、前後の文脈やそこに至るまでのお話があり、それを読むのが一番良いはずです。 それでもやっぱり、全ての良書を読むには、私たちの寿命は短過ぎます。 また、も…

『仕事に効く教養としての世界史II』

世界史を知れば、ほとんど全てを知れる。 とまでは言いませんが、世界史を知らなければ、ほとんど全てを知らないのは確かです。 有史以来、世界中では本当にさまざまなことがありました。 今ここで起きていることは、それらの中に似たことがあったり、ヒント…

『愛と情熱の山田うどん』北尾トロ えのきどいちろう

元埼玉県民です。 18までいたので、ほぼ生粋の。 うどんは埼玉のソウルフードで、山田うどんはその代表です。 ということは、恥ずかしながらあまり知りませんでした。 しかし本書を読み、そう言えばこのツルツルのうどんはしっかりくるよな、とか、高校生の…

いつか家を売る日

『一生のうちで一番高い買い物』だと、わたしが家を買う時に、顧問の税理士さんが教えてくれました。 確かに、家の他には数千万円もの値段がする物は、そうそうありません。 余程ふざけた車や宝石や美術品くらいでしょうか。 個人で使うもので無ければ、また…

『台湾人が警鐘を鳴らす病的国家中国の危うさ』

台湾は中華民国 中国は中華人民共和国 元々は台湾人の中には、中国にいた人たちがいます。 今現在、中国は台湾の侵略を目論んでいます。 ウイグル、モンゴル、香港、マカオ。 中国の野望は、止まるところを知らないように見えます。 隣人から見ると、やはり…

『100分de名著 夏目漱石』

小説は全身で読む 頭や感情、呼吸、背骨、感触、リズム、笑い、ツッコミ、顔を顰め、あえぎ、地団駄を踏む 意識外の部分でも、勝手に読んでいる 未完のシステムを生きなければならない苦しさ 心を読もうとしてしまう 帝大は超エリート大、能力や環境など、相…

『100分de名著 覇王の家』司馬遼太郎

三河人は中世人の気質を持つ 中世は農本主義 →重商主義に変わった 今川氏真は江戸時代から低評価 主従関係を重要視させるため、江戸幕府が印象操作を行った 三方ヶ原で籠城したままだとしたら →国衆はほぼ全て武田勢に寝返っていた 負けるとわかっていても、…