愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 アルプスの少女ハイジ』シュピリ 松永美穂

かなり昔にアニメで放映されていた『アルプスの少女ハイジ

これには原作があります。

1800年代のスイスで、ハイジという少女が人格を形成していくお話です。

 

シュピリは売り上げを普仏こ戦争の看護師に寄付していました

 

性教育にも尽力し、高等女学校で理事をしました

 

1800年代末ヨーロッパ各地で貧しい人たちが移動をしていました

 

スイスは資源に乏しく、生活のため外国の傭兵にもなりました。場合によっては、スイス人同士が戦争の最前線で戦う、といったこともありました。

 

学校にも通えずに働かされている子供たちもいました

 

麓からと山の上からだと風景は全く別のものに見える場合がある

 

(何でも神様に話してよい)

(祈りがすぐに叶わなくても、いつか最善のことをしてくれる)

 

日の光と神様の愛は重なる

 

ドイツ語圏の人々はとても綺麗好き

 

どんなお土産よりあなたに会えたことが1番嬉しかった

 

誰かが悲しんでいれば一緒に悲しんであげることができる

 

人間の形成には教育や信仰が必要

 

私たちは誰しも怒ると馬鹿なことをする

 

悪いことをしたら何よりも自分の心が痛む

 

物語は、著者の知識や考え方が反映されます。

数多くの優しさに溢れた言葉が、アルプスの少女ハイジには、散りばめられています。

教育者の鏡のような人だったのだと思います。

 

『怒らないこと2』アルボムッレ・スマナサーラ

f:id:kazuyoshisan:20210622084211j:image

原始仏教は、宗教と考えなければとっかかりやすいはずです。

単純に幸せな気持ちで過ごす方法や、自らをより良いものにしていく方法、と捉えられれば。

 

怒らない事は生涯をかけて目標とするのに良いテーマである

 

だらしのない人格には不可能

 

怒らなければ幸せになれる

 

(怒り)は知恵と理解で克服するもの

我慢したり押さえつけたりするものではない

 

感覚は常に苦しみ、ボーダーを超えたら認識

ボーダーは希望(期待)の強さで決まる

 

世間的な幸福は妄想である

 

生きる事は苦しみ、苦しみから別の苦しみへ乗り換えている

 

無常を知る→ 無執着=覚り→ 苦しみがなくなる

 

生老病死からは逃れられない 

→ 世間の幸せから離れて正しく生きてみる

 

不安、恐怖

→ 怒りの仲間

 

素直に聞く、相手の良いところを見る

 

後悔しない(過去はもうない、終わらない妄想)

 

怒りが出たら見る(無理になくそうとしたらそれも怒り)

体の動きも思考も止める

→それでもダメなら10回深呼吸する

 

多くの人は究極的に価値があるのは(自分の命)

だと思っている

→ 自我という幻想から、自分が最高

→ 最悪の思考

 

(私の足が痛い)ではなく、本来は(足が痛い)

 

自我が錯覚と理解する

→ 人々みんなの苦労に気づける

 

良い悪いを判断する目安

良い事はしにくい、悪い事は簡単

 

すべての生命は本気で苦しんでいる

→慈しみで接するのは当たり前のこと

 

どうでしょう?

これらを全部実践出来たら、素晴らしい人になれそうですよね。

そしてその人は、きっと幸せなはずです。

 

『平家物語』吉村昭

f:id:kazuyoshisan:20210612205747j:image

平家物語の現代語訳です。

 

平家の棟梁である平清盛が、権勢をきわめるところから物語は始まります。

権力を手にして、天皇法皇までを意のままにする平家一門。

都を移したりまた戻したりと、まさにやりたい放題です。

そして遂に平家を討伐する動きが出てきます。

 

ストーリー自体はある程度知っているはずなのですが、新鮮です。

暗い中で刀を持って主君に侍るシーンの臨場感や、戦乱の中で矢を切っては落としまくるシーンのスピード感は物凄いです。

人々の心の動きや無常感など、実に様々なものが詰まった物語です。

『子どもと性被害』

f:id:kazuyoshisan:20210612205700j:image

父親に、親戚の叔父さんに、教師に、習い事の先生に。

様々な男により性被害は起こされます。

その対象は、どんなに幼い少女にも及びます。

体が小さくてもお構いなしで、手でも口でも何でもござれです。

それぐらい下衆な人間だということです。

読んでいて、胸が悪くなります。

まずは多くの人が、こんな事がある、そう知るのが必要です。

そうすると、これからの不幸な事件を防ぐのに繋がるのではないでしょうか。

『悪魔が殺せとささやいた』

f:id:kazuyoshisan:20210612205629j:image

14の殺人事件のあらましを書いています。

事件の様子よりも、そこまで至る過程を丁寧に解説しています。

人を殺めるのに正当な理由なんて絶対にないはずです。

それでもこのように事件発生までを追っていくと、犯人にはそういう言い分があったのだ、ということがわかります。

 

間違っているのですけど。

『10才までに覚えたい言葉100』

f:id:kazuyoshisan:20210531133720j:image

小2の娘に読んでもらうために購入しました。

「どういう意味?」

聞かれそうな言葉が数多く解説されています。

マンガでわかる上にコマ数が多すぎないので、テンポよく多くの言葉に触れながら読めます。

絵も可愛くて読みやすいし、面白い。

読書をあまりしない娘に合っている著書な気がします。