- 作者: 鈴木ともこ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/06/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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山登り初心者の著者が、同じく初心者のお友達と三人で高尾山に登ることから、物語は始まります。
もともとはロープウェイで山中にあるビヤガーデンに行くのが目的で、おまけでちょっと上にある山頂まで登って、その楽しさにハマって行きます。
ハマる大きな一因が、その時に出会った女性の言葉です。
尾瀬で見た星空が忘れられない
これです。
読んでいるだけでも、行ってみたくなります。
次は木曽駒ヶ岳です。
日本で一番高い駅が、駒ヶ岳ロープウェイにあります。
千畳敷カールと呼ばれる場所で、『アルプスの少女ハイジ』の舞台のような場所です。
ここで著者は、雲の上を歩く、という体験をします。
次に、日本一空に近い温泉を目指します。
立山黒部アルペンルートにあるため、温泉、立山登山、黒部ダムという、盛りだくさんのツアーを組みます。
越中の立山は、加賀の白山、駿河の富士山と並んで日本三霊山1つである、いわゆるパワースポットです。
岩がたくさんあるところは登ったり、人によっては手を使わないとのぼれない所があったりして、本格的な登山になりそうです。
そして、尾瀬です。
絵や写真に良く出てくる景色が広がっていてとても綺麗です。
雲が多くて星空が見えなかったのですが、また来ようと言う気持ちになりました。
また、季節によって景色が違うので、それも再訪すると言う動機付けになります。
ご両親と一緒に、鎌倉アルプスへ行きます。
こちらは高さが159メートル、富士山の4.2%の高さしかありません。
山登りの良さは、人や体力に合わせて山を選べるというところもあるのかもしれません。
さて、いよいよ富士山に登ります。
山は天候や季節によって、大変さがかなり異なるようです。
富士山は有名なので、登山の初心者がかなりの軽装、例えば半袖にスニーカーなどで来ることもあるそうです。
しかし、急な雨が降ったりして散々な目に合う人もいます。
トレッキングシューズ、レインウエア、ストック(杖)、など、万全な装備で臨むと良いでしょう。
登頂できた人は50%と言われますが、準備を万全にして望んだ人とそうでない人とは、登頂できるかどうかにかなりの違いがありそうです。
そこで著者は登頂できるようにいつでも作戦を立てます。
1.五合目に1時間以上滞在して体をならす
2.はやる気持ちを我慢してゆっくり歩く
3.なるべく低い山小屋に泊まる
4.山頂からのご来光にこだわらない
5.足に負担の少ないコースで下山する
それぞれいろいろ理由はありますが、無理せず焦らず疲れない、というのが良さそうです。
雷が横や下から来たり、山頂に富士銀座と呼ばれる商店街のような物があったり、下山の際には一歩一歩滑り降りるようなコースがあったりと、イメージを超える部分がたくさんあります。
山登りは、手を離したら奈落の底に落ちてしまい、発見すら中々してもらえないような場所もあります。
何時間もひたすら歩き続けたり、普段見られない風景を見たり空気を吸ったり。
著者は登山から帰って来ると、スッキリして穏やかな気持ちになっているそうです。
そして、毎日生きているという実感が強くなったそうです。
登山に必要な知識が多く得られ、楽しさも伝わって来る内容です。
登山初心者は必読の本かも知れません。