漁師である老人が主人公です。
かなり長いこと釣果に恵まれていません。
そのため、度々一緒に出ていた相棒の少年は、老人と漁に行くのを両親から止められてしまいます。
縁起が悪い、ということなのでしょう。
漁には出られませんが、少年は老人の寝食をお世話します。
少年が親で、老人が子どものようにさえ見えてきます。
止むを得ず、その日も老人は一人で漁に出ます。
そこで遂に魚がかかるのですが、今までにないくらいの、とんでもない大物です。
通常、長くて数時間であげられるはずの魚が、恐ろしい粘りを見せます。
幾度となく「少年がいてくれたらなあ」と思います。
広い海のかなり遠くまで魚を追って、窮地に立たされつつも巨大な魚に挑む老人は、全く諦めず、人間としての強さに満ちています。
最後に、町に戻ってきた老人と少年の交流。
大きな魚を見た人々の驚き。
とても静かだけど激しくて、勇気をもらえる話でした。