愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『老人と海』ヘミングウェイ

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漁師である老人が主人公です。

かなり長いこと釣果に恵まれていません。

そのため、度々一緒に出ていた相棒の少年は、老人と漁に行くのを両親から止められてしまいます。

縁起が悪い、ということなのでしょう。

漁には出られませんが、少年は老人の寝食をお世話します。

少年が親で、老人が子どものようにさえ見えてきます。

止むを得ず、その日も老人は一人で漁に出ます。

そこで遂に魚がかかるのですが、今までにないくらいの、とんでもない大物です。

通常、長くて数時間であげられるはずの魚が、恐ろしい粘りを見せます。

幾度となく「少年がいてくれたらなあ」と思います。

広い海のかなり遠くまで魚を追って、窮地に立たされつつも巨大な魚に挑む老人は、全く諦めず、人間としての強さに満ちています。

最後に、町に戻ってきた老人と少年の交流。

大きな魚を見た人々の驚き。

とても静かだけど激しくて、勇気をもらえる話でした。