愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『まんが 世界の歴史2』

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ホメロス叙事詩を読んで、トロイアの遺跡を発掘したシュリーマン

ギリシャ神話の英雄テセウスの物語から、クレタの遺跡をエヴァンスが発掘する。

神話も交えた、数千年にまたがる歴史の話から始まります。

 

ギリシャでは、ポリスが生まれて多くの偉大な哲学者を輩出します。

ペルシアでは、ペルセポリスという世界一の都が出来るほど、国が繁栄します。

北にあるマケドニアアレクサンドロス大王は、ギリシャもペルシアも攻めて、併合します。

しかし、北インドまで遠征したところで帰途につき、その途中で若くしてこの世を去ります。

 

かつてギリシャマケドニアがあった地は、ローマが支配することとなります。

カエサルアントニウスオクタウィアヌス、それにエジプトのクレオパトラを巻き込んで、ローマの派遣争いが続きます。

 

ローマ帝国が続いている時代に、パレスチナイエス・キリストが生まれます。

本人が処刑されてから、多くの殉教者を出した後に、東西ローマ帝国でそれぞれキリスト教の信仰が認められるようになります。

 

それぞれの国や地域で、文明や都市が築かれます。

ギリシャの哲学者であるディオゲネスが、自らをコスモポリタン(世界市民)と呼んだのが、とても印象的でした。

有史以来、人々はずっと権力争いをしています。

コスモポリタンという意識を多くの人が持てたら、もっと良い世の中になるような気がします。

『未来いそっぷ』星新一

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ショート・ショートという分野を開拓した、SF作家である星新一氏の著書です。

 

表題であるいそっぷ物語を、現代風にアレンジした短編がいくつか。

アリとキリギリス

北風と太陽

オオカミがきた

 

その他、シンデレラやサンタクロースが出てくるはなし。

 

おれやエヌ氏やバギ星人や男や青年が、それぞれ出てくるはなし。

 

シンプルで読みやすいのですが、人間の心理や社会の仕組みを良く知る事ができる。

幅広い世代で楽しめる一冊です。

 

『茶の本』岡倉覚三

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日本のお茶についての著書です。

 

お茶には酒のような傲慢なところがない。コーヒーのような自覚もない。ココアのような気取った無邪気もない。

 

最も悲しむべきこと

教員が誤り、立派な青年を損なうこと。

鑑賞が俗悪で名画の価値を減ずること。

手際の悪いために立派なお茶を浪費してしまうこと。

茶碗の色は青が良い。お茶の緑が映えるため。

 

禅は仏道の教えとしばしば相反する。

道教儒教としばしば相反する。


茶室は簡素で清浄。禅院から起こった。

 

偉い茶人は皆、禅を修めた人であった。

 

茶室はすべてのものが全く清潔である。

 

茶室は茶人のために作られたものである。

 

重複を避ける

生花があれば草花の絵は不要。

丸い釜なら水差しは角張ったもの。

黒い茶碗なら茶いれは別の色を使う。

 

場所を2等分しない→真ん中に物をおかない

人は花を捧げて初めて獣性を脱した。

 

お茶は、野盗の如き戦国武将たちを、何とか教養人に近づけるために用いられたとも言われています。

すなわち、精神を穏やかにしたり、品性を良くしたりする作用がある、と考えられます。

実際にお茶を始めないまでも、本書でその一端に触れるのは、そのような効果が多少はあるかも知れません。

『夜の風見鶏』阿刀田高

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短編をたくさん書いている、作家の阿刀田高氏の随想集です。

 

親知らず、読書、サツマイモの栽培、待ち合わせ、言葉。

話題は様々です。

 

そういえば、以前著者がコーランや聖書を、それぞれ解説した著書を読んだのを思い出しました。

幅広いことに興味を持つ人のようです。

そのため、様々なお話が作れるのかも知れませんね。

読む側も、色々知っている方が楽しいのだろう、と随想しました。

いわゆる偉人たち

今週のお題「会いたい人」

 

ブッダやキリストや孔子ソクラテスたちのような偉人は、様々な言葉を残しています。

どれも、素晴らしい言葉だということに、間違いはありません。

 

しかし、たまに疑問に思う言葉に出会うこともあります。

おそらくその理由は、語っている相手が弟子であって、私たちに向けた言葉では無いからだと考えられます。

また、時代や状況や環境が違う、ということもあるかも知れません。

 

そこで願わくば、今の時代のこの場所で、私に対して言葉をかけてもらえたら。

こんな幸せなことはありません。

 

そんなことを考えながら彼らの著書を読んでいると、読書の時間がより一層、愛おしく感じられてきます。

 

『教養は「事典」で磨け』成毛眞

 

 

良い事典を読むと、それで教養が身につく、と言うのが著者の主張です。

 

良い事典とは

・読んでいて面白い

・索引がある

・用例が豊か

・サイズが大きい

・スピンが二本ある
などなど。

 

事典は、眺めたり、パラパラ読んだり、適当なページをランダムに読んだり、普通の本と同じように順番に前から読んだりと、とても自由がきく本です。

楽しく読んで教養が身についたら、大変お得ですね。

 

『頭は本の読み方で磨かれる』茂木健一郎

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脳科学者である著者が、本の読み方について、解説してくれている著書です。

 

本を読むメリットはいくつもあります。

世界が見えやすくなる。

脳が鍛えられる。

ファッションにもなる。

教養が身につく。

成長できる。

会話のネタになる。

 

様々なジャンルの本を、それも同時進行で読むのが良いです。

自分の軸となるものを作るつもりで。

 

読めない本は、目次、その中で気になるところ、全体をパラパラ読む、というスキミングでも問題ありません。

日本語は、それに向いている言語です。

 

最後に、超おすすめの本を、10冊紹介してくれています。

とてもお得な一冊です。

読む本に迷ったら、是非。