愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『多摩 歴史と文化ウォーキングルート』

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立川

日野

八王子

青梅

などなど。

多摩の各地域の、日帰りで行けるようなルートを、22コース紹介してくれています。

 

お寺、神社、ハイキングなどの自然探索がたくさんあります。

日野は新撰組ゆかりの地だと、改めて思い出しました。

また、七福神巡りなどもあったりして、かなり盛り沢山な内容でした。

多摩に行ってみたくなること請け合いです。

『東京に暮す』キャサリン・サンソム 大久保美春訳

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戦前の東京に暮らす著者。

イギリス外交官である夫の赴任とともに、来日しました。

その著者が、日本や日本人などを観察した事を、温かい眼差しで見つめて詳細に書き残してくれています。

 

使用人の気遣いの仕方。

よく笑う様子。

エルとアールの発音を使い分けることが出来ないので、全部アールになっている。

モガ

モボ

カフェバー

ミルクホール

 

人柄なのでしょうか、生き生きとした楽しそうな風景や人々が浮かび上がる文章です。

実は当時は、世界恐慌国際連盟脱退など、日本の状況はかなり悪かったはずなのです。

それでも町の人々は明るく生きていたのか?

著者に対してよく振る舞っていたのか?

実際はわかりませんが、読んでいて穏やかな気持ちになりました。

 

『心底惚れた』樹木希林

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樹木希林さんの芸名を変える前の、著書です。

つまり、だいぶ若い頃のものです。

様々な著名人との対談集で、著者がインタビューする側です。

 

インタビュアーや司会者によって、ゲストのどのような面が引き出されるかは、かなり変わります。

著者は、明るくて開けっ広げです。

そして、それが嫌に思われません。

きっとこのようなお仕事に向いているのだろうと、感じさせられました。

 

『がんになった緩和ケア医が語る残り2年の生き方、考え方』関本剛

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緩和ケア医は、一定の期間で亡くなることが決まっている、終末期に差し掛かった患者さんのケアをする医師です。

その仕事をしている医師ならではの視点を期待して、読みました。

 

この状況になって良かったのは、患者さんが心を開いてくれやすくなったことです。

「私も同じです。一緒に頑張りましょう」

これほど慰められる言葉は、おそらくなかなか無いのではないでしょうか。

 

著者は医療従事者だからこそ、妙な期待を抱かずに、残された時間を認識出来るはずです。

それでも、自身がチャンピオンケースであって、他よりも長生きすることに期待してしまいます。

 

著者は、取り立てて特別な事を始めたりしません。

現状に満足しているようにも見えるし、そうでも無いようにも見えるし、自身で葛藤しているようにも見えます。

 

脳転移しているがんなので、性格や行動が変わる可能性があります。

著者は、それを恐れています。

ある意味、死よりも耐え難い者も知れません。

 

あまり心の内面描写が出てこないのは、少し期待と違いました。

しかし、あえて淡々と書いているのか、そう振る舞おうとしているのか、考えないようにしているのか。

いずれにしても、多くのことを考えささられる著書です。

『PRESIDENT会話に使える教養大全』

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出来るビジネスパーソンたるもの、教養を身につけておかなければなりません。

世界のビジネスエリートは、必死で教養を学んでいます。

 

いろいろ興味深い記事はありましたが、あなたの教養全国偏差値を算定、が面白かったです。

ことわざや四字熟語

哲学用語

歴史や人物

映画

絵画

ワイン 

 

学ぶべきものを、ある程度示してくれているのが良かったかも知れません。

もちろん、鵜呑みにしてはいけないのでしょうけど。

『毒舌訳 哲学者の言葉』有吉弘行

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アリストテレス

セネカ

アラン

ニーチェ

素晴らしい哲学者は数々います。

そして、素晴らしい言葉も数多くあります。

の、はずなのですが。

著者は毒舌の有吉弘行氏です。

哲学者たちを、近所のややこしい口うるさい厄介者、と切り捨てます。

なんだかよくわからない事を言っているけど、何となくありがたがってしまう。

しかしよく考えると、実は大したことを言っていない。

もしくは間違ったことを言っていたりします。

著者による哲学者たちへのツッコミに、声を出して何度も笑ってしまいました。

辛いときには、きっと元気を貰えるはずです。

『無名人名語録』永六輔

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著者は、全国津々浦々を旅しています。

本書は、その数々の行き先で出会った無名人の、名語録です。

著名な人が言ったことは、そのことだけで価値を持ってしまい、実は大したことを言っていない。そんなことが、往々にして見られます。

その点、無名人にはそんなバイアスがかかっていないので、純粋にその言葉を吟味できます。

人生を達観した人。

己を飾らない人。

人懐っこい人。

実直な人。

様々な人の様々な言葉が、共感や笑いを誘う、良書です。