愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『刑務所わず』堀江貴文

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ライブドア社長の堀江貴文氏による、獄中記シリーズの一冊です。

マンガ部分があり、エッセイ部分があり、日記部分があり、対談部分があり、と様々な角度から書かれていて、こちらを飽きさせません。

 

衛生係という老人介護のような仕事をしたり、手書きの文章をたくさん書いたり、お菓子を食べたりと、シャバでは決してしてこなかった諸々の作業たち。

それに苦戦したりイライラしながらも、なんだか楽しんでやっているようにも感じられます。

 

お金の亡者のように見られている、という本人の記述が出てきますが、ムショに入ったのもそれが原因だったはず。

日本では、人の印象って本当に怖いな、と感じさせられます。

 

ストレートで、ある意味著者は子どものようです。

そんな人の方が、刑務所でも楽しみを見つけて、過ごしていけるのかも知れません。

ビジネスでも同じなのか?

それは、わからないのですけど。

『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』詩歩

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あちこちを旅して、素晴らしい絶景を写真で紹介している、著者。

前作では世界各地の絶景で、今回は日本各地の絶景です。

春夏秋冬、北海道から沖縄、山川海と様々なシチュエーションの、思わず息を呑むような写真が盛りだくさんです。

 

しばらくは旅行に行かなくても良さそうです。

人によっては、行きたくなるのかも知れませんけど。

今年学びたいこと

世間では、ムダなものは排除しよう、というのが最近の風潮ですよね。

不必要なものは持たない。

時間の短縮や節約。

など、それぞれ確かに理にかなっています。

 

しかし、全ての経験に無駄なものは無い。

という考え方もあります。

一見無駄でしかない知識も、どこかで役に立つことがあるかも知れない。ひょっとしたら、自分でも気づかないうちに。

何故なら、そんな知識もその人を作る要素の一つだからです。

ちなみに手紙は、中国語だとトイレットペーパーを指します。

 

今年は、ラテン語を学びたいです。

古代ローマ帝国公用語で、現在はあまり使われていない言語です。

何かの学名や、バチカンで使われるのに留まっているとか。

しかし、ラテン語で書かれた偉大な文学作品も多くあるので、それを読むのを目標としたいです。

 

無駄と言えば、無駄なのですけど。

今からワクワクしてしまうのです。

 

 

『昭和遺産 巡礼1703景へ、』平山雄

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昭和の雰囲気がすきで、各地のレトロなスポットを周っている著者。

それらスポットの写真と解説、さらにはそこの喫茶店の店主とのお話などを、これでもかと紹介しています。

人によっては、ただ古くさいと感じてしまうかも知れない、建物や看板や文字たち。

しかし、このように愛情を持って紹介されると、なんだかこちらも引き込まれていき、そのうちに昭和が好きになっている自分に気づきます。

表紙の怪しいネオンも、かなり良い味が出ています。

堅苦しくなく眺める本として、とても楽しめる一冊です。

『アル中ワンダーランド』まんしゅうきつこ

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主人公である著者が、飛行機の声を聞くところから、物語は始まります。

もとい、飛行機に模した宇宙船による、宇宙人の声を聞くところから、物語は始まります。

アル中の話です。

笑えるし、笑えないエピソードのオンパレードです。

そのように、帯にも書いていますが。

 

飲酒を家族に隠すところや、飲んで記憶がなくなるところや、飲まないとダメだと頑なに思い込むところなど、完全にアル中です。

まあ、アル中のマンガなのですけど。

 

巻末の対談で、未だに飲酒への欲望が垣間見えた気がして、アルコールの恐ろしさを再認識させられました。

怖面白い、名著です。

『パーマネント野ばら』西原理恵子

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ある田舎の漁師町にある、パーマ屋さん。

そこで働く娘さんが主人公のマンガです。

物語は、主人公とそれを取り巻く女性たちによって、進行していきます。

ほとんど刑事事件のような出来事や、下品とも感じられるほどあけすけな会話があったりと、かなりどぎつい部分があります。

しかし、正直なようなキレイなような、そんな印象も受けます。

みんな生きるのに一生懸命なのが、そう感じさせるのかも知れません。

力をもらえるような、自分に余力がある時でないと読めないような、とても濃いマンガです。

『中高年自殺』高橋祥友

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中高年の自殺が、日本では社会問題になっています。

日本では、年間三万人の人たちが、自ら命を絶っているそうです。

世界で見ると、とりわけ多いわけでは無いのでですが、それでも何とかしてあげたいことには変わりないですよね。

著者は精神科のドクターです。

自殺をする方は、精神疾患の状態になっている場合が多いようです。

アルコール依存症うつ病などです。

気づいて病院に行けると良いのですが、なかなかそこまで辿り着けない人も多いのだとか。

自殺も重大ですが、それだけではありません。

残された家族や友人にも、多大な影響を与えます。酷いとPTSDを患ってしまったり、自身を責めたりと、多くの人が辛い思いをする可能性があります。

長年頑張ってきたであろう、中高年の人々が自殺をする。

なんともやり切れない出来事で、何としても防ぎたいですよね。