愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『凶悪』

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ある死刑囚が、雑誌の記事である本書の著者に独白しました。

「娑婆に多くの殺人を犯しているのに発覚せずに、のうのうと暮らしている人物がいる」

自らは手を下さず、見つからず、恐ろしい殺人事件を次々と重ねていく犯人は、まさに凶悪です。

この独白が無ければ。

著者が取材をしなければ。

そしてそれが上手くいかなければ。

この犯行は、どれも闇から闇へと葬られていました。

それでも、全てが明るみに出たとは言い難い。

それほど多いというべきか、犯行が周到だというべきか。

ただただ恐ろしい。

それでも、実際にあったことなのですよね。