愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『定番すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む』ドリヤス工場

 

 

 

有名な文学作品を短い漫画にまとめてくれた本です。

他に必修すぎる文学作品、など全部で3冊出ています。

タイトルや作者は知っていても、なかなか読めない方はやはりありますよね。

これらをマンガで読むのは良いのですが、それもなかなか時間がかかってしまう。

そこでこれらの3冊の本は、漫画の上に10ページ位の短さでまとめてくれています。

とても読みやすいです。

 

この本に収録されているのは、夏目漱石の坊ちゃん、芥川龍之介地獄変小林多喜二蟹工船、ウィーダのフランダースの犬マザーグース吉田兼好徒然草太宰治の斜陽、梶井基次郎桜の樹の下には島崎藤村の破戒、江戸川乱歩人間椅子アンデルセンの人魚姫、宮沢賢治銀河鉄道の夜などです。

 

読んだことのないお話は、もちろん純粋に楽しめます。

しかし、読んだことのあるお話もそれはそれで楽しいです。画風は、水木しげるゲゲゲの鬼太郎に似ています。

それがとてもマッチしている作品もあれば、自分が思い描いていた世界観と少し違う場合もあります。

これは小説を読んで、次に映画化されたものを見たときに似ています。

とても思い入れのある主人公を、あまり好きではない俳優さんが演じた時に感じる、あの違和感。

しかし、監督の目からは原作はそういう風に映っているんですよね。

 

私は学生の頃、国語のテストで問題に出てきた、夏目漱石のこころ、宮沢賢治オツベルと象などの物語の先が気になって、探し求めて全部読んだ記憶があります。

これら3冊の本も、原作を読んだことのない人が原作を読むことの取っ掛かりになることが予想されます。

 

帯や目次を見て、読んでみたかったけど読めていない本がある人には、とても良いのではないでしょうか。