京都で育ち、京都に住む著者。
しかし、それを言うのは、とても憚られる。
それは、京都の嫌なところに由来しています。
京都にはいやなところがある。
そのような書き出しで、本書は始まります。
京都の街中、洛中と呼ばれるところで住む人からすると、その周辺の洛外と呼ばれるところは京都ではありません。
著者の育った嵯峨は、京都市ですが洛外です。
そのため、京都出身です、などと著者が言っているのを洛中の人が聞こうものなら大変です。
「お前は京都ちゃうやろ」
こうなります。
京都人になりたい、物欲しげな人としてとられてしまうのです。
このように虐げられる地域出身の著者は、さらに洛中より遠い城陽や亀岡を蔑む、という良くない差別主義が自分にあることにも気づいています。
袈裟姿でキャバクラ遊びをするお坊さんたち。
寺への拝観料を税金を納めずに、がめつく懐にいれる様子。
確かに嫌なところは、数多く見られます。
近くにいかないと、しっかり見て考えないと、こういった部分には気づきにくいのですね。
意外ですが言われたら頷ける。
多くの知識などをもらえました。