愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『罪と罰』ドストエフスキー

聖書を引用しながら語っている。

 

マゾヒズムが、人間の情念がはらむある根源的な部分に結びついていた。

 

意識の物語と運命の物語に分岐していく

 

神の黙過=神の沈黙

 

ドストエフスキーヤハウェではなく、イエスと共にあることを信仰の礎とした。

 

「象徴層」と言うべき別の視点の物語もある。

妄想に引き摺られる傲慢な青年

人間的な温もりや正義感あふれる青年

いわば二人のラスコーリニコフがいる

 

ラスコローチ:叩き割るから命名

 

この殺人は、最も原初的なテロル

確信的な思想犯

「新しいエルサレム」という思想世界を求める人道心をもつ人物

二人のラスコーリニコフがいる

 

姦淫、魔術、殺人をする者は「新しいエルサレム」には入場不可

 

ロシアでは大地 =母=マリアの同一化が起こった。

→大地への接吻=マリアへの愛と信仰

 

十字架をお互いに交換することは、義兄弟の契りくらい重要な儀式

 

プレストプレーニエ:犯罪、踏み越えること

 

(両親に対して)

「あいつら、なんだってこうもおれを愛するんだ。おれにそんな値打ちなんてないのに!」

 

自首は反対に彼をアイデンティティの喪失へと導いた

 

善と悪を分かつのは何といっても「勝者」

 

大地は根源と言うべき生命とつながる

 

生命とは喜びを感じる力。

それが生命の限りない価値。