キリスト教は憎悪の宗教だ、というのが著者の主張です。
それが本書にぎゅっと凝縮しつつ吐き出されています。
カインとアベルの話は、海幸彦と山幸彦の話と比べると、確かに殺伐としています。
また、神がエジプト人に対しても、信仰に背いたヘブライ人に対しても、残虐とすら思える仕打ちをしても行きます。
確かに聖書は読みようによっては、憎悪と取ることもできるでしょう。
ただし、それはあらゆる書物もそういう面はあるはずです。
著者と学生の対話が出て来ますが、もしかしたらしっかりとしたキリスト者との対話にした方が、より充実したものになったように思えます。