愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 苦海浄土』石牟礼道子 若松英輔

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文学をジャンル分けする必要があるか?

 

全ては過ぎ去るのか?

永遠に連なることがあるのではないか?

万物を包括する「いのち」は朽ちないのではないか?

 

荘厳:仏の光により、深く照らし出されること

 

本の読み方は十人十色

自分の読み方が絶対ではない

 

文学は言葉の芸術、何を感じても良い

 

水俣の民には『万葉集』に出てくる古の価値観が生きていた

水俣は自然の楽園だった

 

単に記号として文字を追うのでは無く、五感で感じてみる

 

知性や理性だけで無く、情が動くことも大事

 

六十年間、一言も自分の思いを喋れない人が存在する

 

何かがわかったら、それを打ち消して問いを深める

大きな誤解をしているかも知れないから

わからないと本当に感じた時、知ったと感じるのと異なる認識が起こる

 

水俣の体験で「すべての宗教は滅びた」と感じた

 

自らの思いを書き記すのでは無く、言葉が現れる通路になろう

 

集うけど群れない

 

この日はことに自分が人間であることの嫌悪感に耐えがたかった

 

企業は巧妙に患者たちが水俣病であることを公言出来ない、するべきで無い、という空気を作った

人格が悪に手を貸す

 

患者さんや死者は、生きて当たり前の人生を送りたかった

相手や世間に伝わらない

金をゆすりにきたとしか受け取られない

 

一人ではなく、多くの死者が共闘していた

 

肉体が滅んだのち、生ける死者となる

 

祈るべき天と思えど天の病む

 

人のエゴが水俣病の温床となった

 

草木石雨風にも命があり、それを神様と呼ぶ

 

たった数十年しか生きていない一個人も、一千年の歴史とともにあれば、だいぶ違う

 

国の滅びとは、土地ではなく精神が消えて起きる

 

感情は現代人も古代人も同じ

 

水俣病チッソという会社に責任がある

現代社会は各人がチッソになっている

 

人生で「読み終えられない本」こそ価値がある

 

やまももの実は、山の神様に断わってからもらおう

 

この世に対する敬虔なおののき

 

人は食べなくては生きていけない

食べ物は神々からの授かりもの

しかし、それが収穫に変わった

さらに金銭や経済力の収穫になった