愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『正法眼蔵』道元

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正法眼とは隻眼とも言います。

仏教用語で第3の目のような意味です。

真理と訳されることもあります。

また、最大の宝物だとも言われます。

内容が難解なため、解説本も多く出ています。

仏教、禅、真理などを考えるには、是非とも読んでおきたいと思い、手にとりました。

 

自己と他者の違いは無く、突き詰めれば同一のものである。

自分の存在は、結局は無である。

 

般若心経で有名な、色即是空、空即色是なども出てきます。

空は何も無い状態ですが、それ故に全てを包括するため、もっとも広くて大きな概念のようです。

 

禅問答のような話し合いも出てきます。

著者が、この問いにはこう答えるべきだった、と解説しています。

問答をしている御二方も、高名な僧です。

上には上がいるものだな、と感心します。

 

読み進めていくと、様々な脳科学であったり、考え方や生き方の著書と重なる部分が出てきます。

正しいことだから重なるのか、それらの著者が本書を読んでいたのかは分かりません。

しかし、真理であったりそれに近いものはそんなものかな、という気がしました。

 

確かに、読んでほとんど理解出来ませんでした。

しかし、何かに触れることは出来た気がします。

いつかそれが、どこかで結実してくれることを祈りつつ、本書を閉じました。

読み手により程度が大きく異なりますが、必ず何かを得られるはずです。