愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『南方熊楠 人魚の話』

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小学生の頃、ある週刊少年漫画誌において、異色の作品が連載されました。

闘いや冒険やギャグ漫画ばかりの中で、実に難解であったことを覚えています。

そのため人気が出なかったのか、早くに連載が終わってしまったようです。

当時の記憶では、植物学者でした。

しかし本書を読み、民族学者で博物学者であることが分かりました。

 

ありとあらゆることが飛び出してくる、エッセイです。

いったい誰向けに書いたのか?と思うような雑多な話が、ポンポンと出てきます。

言葉使いも昔のものなので、読むのに骨が折れます。

それなのに、次の展開が気になって読んでしまいます。

 

読んでいて、相当な人物だったのだろうな、と感じました。

漫画以来数十年ぶりの対面でしたが、十分に楽しめました。

根気のある人におすすめです。