愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『人新世の資本論』斎藤幸平

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先進国が豊かな生活を送る

ガソリン、牛肉、綿花→グローバルサウスから搾取している

 

(大洪水よ、わが亡き後に来たれ)

二酸化炭素排出の影響に苦しむのは将来の世代

 

外部化ができなくなり先進国が被害者になってくる、今が変われるチャンス

 

資本主義は人からも環境からも略奪するシステム

 

気候変動で大きな経済成長が生み出される

太陽光パネル、電気自動車など

ただしそれらが地球の限界と相容れるのかは?

 

緑の経済成長がうまくいけばその分二酸化炭素の排出は上がってしまう

 

富裕層のトップ10%の二酸化炭素排出量を減らせば、地球3分の1の二酸化炭素排出量が減らせる

 

物の消費量そのものを減らす必要がある

 

世界全体が(持続可能で公正な社会)にならなければ、いずれ人が住めない環境になる

 

現在10億人が気がで苦しんでいる

将来世代は環境悪化で苦しむ

 

90年代後半から2000年に生まれたz世代:

デジタルネイティブで世界中とつながり、グローバル市民の自覚を持ち、社会を変えようとしている

 

資本主義と脱成長は両立しない

 

削減すべきはSUV、牛肉、ファストファッション

教育、社会保障、後は守るべき

 

資本の利潤追求→掠奪技術の進歩に他ならない

 

古代ゲルマン民族(マルク共同体)

土地を共有、生産法に規制、土地や生産物を外部に出さない

→持続可能な農業が実現されていた

 

資本主義の危機はその消滅で終結する

高次の集団的な生産と領有に復帰する

 

資本により鳥や魚をさばくことさえできなくさせられている

 

資本主義こそが潤沢ではなく希少性を生み出すシステム

例)収穫量が多い場合廃棄する、過剰供給による価格低下を防ぐため

 

水や土地などのコモンズは元来潤沢だった

これらは私有になっても使用価値は不変

希少性だけが変わる

 

ブランド化:相対的希少性を作る

 

コモンにすると良い、水平的共同管理

人工的な希少性を減らす

消費、物質主義主義と決別、ラディカルな潤沢さを増やす

→商品化を減らす→ GDPが下がる→脱成長

 

1%の超富裕層と99%の平民たち

この富の偏在を是正→もっと少ない労働で社会は成り立つ→ 99%の人たちの生活を向上、さらに地球環境を守れる

 

(自由とは?)物質欲求から解放され、集団、文化活動に本質がある

 

気候危機は食糧難を引き起こす

 

資本主義では民主主義を守れない

 

コペンハーゲンでは、誰もが食べても良い果樹を植えている

 

コミュニズムは生産の目的を変える

商品価値の増大→使用価値を生産目的にする

→脱成長

 

資本主義の人工的希少性を生むための閉鎖的技術は、科学や技術の発展を妨げている。

 

気候正義:富裕層が引き起こした気候変動による、貧困層や未来世代の被害を止める

 

人権、気候、ジェンダー、資本主義の問題は繋がっている、負の連鎖を止めよう

 

ローカルなコミュニティ、地方自治

→現在は世界中と繋がっている

 

3.5%の人が非暴力で立ち上がると、社会が変わる

環境NGO

有機農業

市民電力

地方自治

などなど

 

このまま行くと温暖化により地球の気候が大きく変わります。

それによる食料危機が起き、飢餓で亡くなる人も膨大な数になりそうです。

ただし1%の富裕層は大丈夫。

そんな未来は99%の人は嫌なはずです。

大人のわたしたちは、なすべきことをなさないといけません。

まずは現状を知ること。それが本書で達成出来ました。