読んでおきたいよな、と思いつつもついぞ手がでないままでいる、あの有名な作品を漫画にしてくれたものです。
それもだいたい10ページという読みやすさ。大変に親切です。
この本は、読んだ事のない人の取っ掛かりとしてとても良いのですが、読んだ事のある人でも十分に楽しめます。
古い日本の街並みや、遠い異国の山河などは、自分が思い描いていたものとのギャップが楽しめたりもします。
また、登場人物の顔や雰囲気も、想像通りだったりそうでなかったり。
10ページに濃縮してまとめてあるので、受け取り方にかなりの自由があります。
太宰治の『人間失格』、カフカの『変身』、芥川龍之介の『トロッコ』などなど、読んでいなければ、内容だけでも知っておきたい、そうそうたる作品が並びます。
全編を通して、最もびっくりしたのは、カフカの毒虫の描写です。ちゃんと読んだことの無い作品で、薄っすら知っているだけでした。
想像ではイモムシの様な風体でしたが、この作品では甲虫でした。そして、とにかくデカイ!
これは一緒に暮らしなくないよな、と思いつつ、本当にぶっ飛んだ展開にびっくりしました。
著者はドリヤス工場さん、で合っているのでしょうか?出版社名なのか、いまいち確信が持てません。
絵は、ほぼ『ゲゲゲの鬼太郎』です。
最初は水木しげるさんの作品かと思いこんでいました。
オマージュしているのは間違いなさそうです。
これは、少年少女皆さんにオススメしたいです。これを読んで興味を持ったら、その原作を読んでみる、という事もありそうです。
実は小学生の娘の為に買いました。
しかし、娘が読む前に父親が全て読んでしまいました。
それくらい、大人でも楽しく読める作品、と言えるのではないでしょうか。