愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『がさつ力』千原せいじ

 

がさつ力 (小学館よしもと新書)

がさつ力 (小学館よしもと新書)

 

 

 

がさつの代表格である、千原せいじさんが、がさつについて書く。というチャレンジングな本です。

ぼくのがさつは、半分は自然で半分は意図的だとのたまいます。

いきなりのがさつ感です。

本当か?と思ってしまいますが、導入の時点でかなり期待を持たせてくれます。

 

がさつというのは人と、特に初対面の人とコミュニケーションをとるのに威力を発揮します。

変に気を使うよりは、思ったことや言いたいことをどんどん出して行った方が良い、という考え方です。

妙に気を使ったやり取りをする時間がもったいない、と。

例えば、何もせずボーっとしているオッチャンが居たら、こんな具合です。

「オッチャン、何しとんの?」

「何もしとらん」

「何もせんでええのん?」

「する事あれへん」

「そら、ええなあ」

 

また、見ず知らずのオバちゃんと仲良くなり、漬け物を押し付けられそうになり、ケンカになったりします。

これは、勢い余ったご愛嬌なのでしょうけど。

ケンカするほど仲良くなったという見方も出来ます。

 

マサイ族などが相手でも、そのスタンスは変わりません。

偉い人にもどんどん話しかけるし、一族の神器なんかにも「触らせて」と平気で言います。

結果、族長と仲良くなれます。

 

失敗する事もあります。

頭を触るのが失礼な国の人に、漫才のようなツッコミをスパーン、と頭に入れてしまい顰蹙をかいます。

これは、自分が知っておいて控えるべきだった、と著者は反省します。

 

総括すると、相手の常識をしっかりと把握したうえで、がさつにグイグイ行きましょう、というところです。

それを半分意図的にやっている、千原せいじ

 

全然、がさつじゃないじゃん!

 

人付き合いに悩んでいる人に、オススメの一冊です。