がさつの代表格である、千原せいじさんが、がさつについて書く。というチャレンジングな本です。
ぼくのがさつは、半分は自然で半分は意図的だとのたまいます。
いきなりのがさつ感です。
本当か?と思ってしまいますが、導入の時点でかなり期待を持たせてくれます。
がさつというのは人と、特に初対面の人とコミュニケーションをとるのに威力を発揮します。
変に気を使うよりは、思ったことや言いたいことをどんどん出して行った方が良い、という考え方です。
妙に気を使ったやり取りをする時間がもったいない、と。
例えば、何もせずボーっとしているオッチャンが居たら、こんな具合です。
「オッチャン、何しとんの?」
「何もしとらん」
「何もせんでええのん?」
「する事あれへん」
「そら、ええなあ」
また、見ず知らずのオバちゃんと仲良くなり、漬け物を押し付けられそうになり、ケンカになったりします。
これは、勢い余ったご愛嬌なのでしょうけど。
ケンカするほど仲良くなったという見方も出来ます。
マサイ族などが相手でも、そのスタンスは変わりません。
偉い人にもどんどん話しかけるし、一族の神器なんかにも「触らせて」と平気で言います。
結果、族長と仲良くなれます。
失敗する事もあります。
頭を触るのが失礼な国の人に、漫才のようなツッコミをスパーン、と頭に入れてしまい顰蹙をかいます。
これは、自分が知っておいて控えるべきだった、と著者は反省します。
総括すると、相手の常識をしっかりと把握したうえで、がさつにグイグイ行きましょう、というところです。
それを半分意図的にやっている、千原せいじ。
全然、がさつじゃないじゃん!
人付き合いに悩んでいる人に、オススメの一冊です。