愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『ざんねんな名言集』真山知幸

 

ざんねんな名言集

ざんねんな名言集

 

 

偉人や先人たちの残した言葉。

彼等の業績を思い、考えに触れ、思いを馳せる。

そして、我々の生きる指針にしたり、元気をもらったりする。

名言にはそんな素晴らしい力があり、そんな珠玉の言葉を集めた名言集はを、私はこよなく愛しています。

しかし、この名言集は、そんな一般的なものとは大分違っています。

弱音であったり、悪口であったり、残念な負の言葉を集めています。

 

モーツァルトピカソトルストイ西郷隆盛手塚治虫カフカ、ノーベル、リンカーン伊能忠敬芥川龍之介コロンブスルノアール孔子ナイチンゲール野口英世夏目漱石スタンダール宮沢賢治、カント、ヘミングウェイ上杉謙信チャップリン江戸川乱歩石川啄木…。

目次だけでも、ワクワクして来ます。

残念な言葉を言いそうにない人、いかにも言いそうな人、どちらもいます。

 

「真の友人が見つからないので、高利貸しから金を借りざるをえません」

一体全体、真の友人というのを、どう考えているのでしょうか?

 

「大方の人は途方もないバカだ誰と話せばいいって言うんだ」

頭の良い人はそう感じるかも知れないと、理解は出来ます。

でも、それをここまでストレートに言うのは、中々の根性です。

 

「学校は地獄であった」

現在なら不登校という逃げ道がありますが…。

ただただ、気の毒です。

 

「胃にさしこみのような痛みがありますので、どうか辞めさせて下さい」

ブラックな職場で働いていたようです。

ここから後世に名を残す仕事をするなんて、想像がつきません。

 

「禁欲はけっきょく何にもなりませんでしたよ」

宮沢賢治がそれを言うか?

雨ニモマケズを知っているだけに、物凄く残念です。

 

何かを成し遂げるような偉人は、作曲なら作曲、政治なら政治、発明なら発明、というように、ほとんど自身の全ての能力をそちらに傾け

てしまうような気がします。

その結果、日常の生活では残念な人になってしまう。

そんな偉人たちが、上手く行かない日々につい漏らした名言集です。

 

最近笑っていない人には是非おすすめしたいです。