演劇の原点といえばギリシャ悲劇、その代表作といえばオイディプス王、と言うのが訳者の主張です。
スフィンクスの謎を解いてテーバイを救い、そこの王になったオイディプス。
前王の妃を妻とし、四人の子どもをもうけた。
しかし、そのうちにテーバイは疫病と飢饉で国中が危機にたたされる。
そこから脱するためアポロンの神託を受け取ると、前王を殺した下手人をあげよ、と出る。
話自体はそれほど長くなく、筋書きもわかりやすいのですが、とても激烈です。
そして、オイディプス王や周囲の登場人物のとった態度は、今の私たちから見ると、やや極端に過ぎる気もします。
しかし、人の生き死にが身近だった時代だからこその、悲劇なのでしょう。