愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『浪花のシャブ外道』木佐貫真照

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覚醒剤を売買してしのぐアキ、主人公は著者で、ヤクザです。

鹿児島から、ヤクザをするために大阪へ移住します。

そこで所属したのが、覚醒剤の密売組織です。

もともとヤクザになるために来たので、どんどん悪事に手を染めます。

当初は売買をするだけだったのが、そのうち自らも常用するようになります。

 

覚醒剤は非合法の麻薬です。

それなのに何故、手を出す人間が後をたたないのでしょうか?

著者はその理由を明確に説明します。

「やめられない」のです。

だから、著者が何度懲役に行っても商売を再開出来るのです。

それにしても、シャブ中はすごいです。

クスリが効いていると、九官鳥や宇宙人になって喋りっぱなしです。

切れると不機嫌になり、使うと途端にご機嫌になる。その効果はあからさまです。

 

シャブを使う一番の理由は、セックスが良いからです。

それを使うセックスは、そうでないものと全く違う、と著者は言います。

それまでのモノがお子様に感じられる、と。

ケダモノのように何度も頂点に達して、快楽にとめどがありません。

そして、変態的なセックスを好む傾向になります。

著者もそういった使い方をします。

17歳の彼女に使ったり、風俗嬢に使ってシャブ中にさせたり。

ヤクザだから、それはそうなのでしょうけど、まさに外道です。

 

終盤でようやく著者は、ヤクザから足を洗うことにします。

そして覚醒剤をやめたい人を手助けする、という仕事を始めます。

とても良いことです。

それまでに出てきたシャブ中の話を見ると、著者の選んだ道がイバラの道なのだと、よくわかります。

次はその活動の話も読んでみたくなりました。