愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『国家の品格』藤原正彦

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アメリカ:論理.改革が善とされている

イギリス:伝統、ユーモア、誠実が善

日本:情緒と形が善

 

近代は論理、合理だけではうまくいかないとわかってきた

昔の帝国主義が終わったのは、論理ではダメだったから

 

パリ講和会議で日本が提案した(人種平等法案)は、アメリカ、イギリス、フランスなどの反対により否決された

 

イギリス人は相手の民度を試すような意地悪な質問をすることがある

 

(不完全性定理)数学の問題にも、正誤を論理的に判定できないものがある

まして哲学、一般社会では、多くの論理判定不可のものがある

 

ならぬものはならぬ

 

第3大アメリカ大統領ジェファーソンは黒人奴隷を100人以上所有していた

 

民主主義(民主主権)は、国民が賢いと言う前提で初めて成立できる

 

真のエリートとは

1教養がかなりある、文学、哲学、歴史、芸術、科学

に国家国民のために命を差し出せる

 

日本人の自然への畏怖心 もののあわれ

この対極にある

米英などの人類のために自然を征服する態度

 

愛国心には2つある

1ナショナリズム:自国第一主義

2パトリオティズム:自国の文化、伝統、自然を愛する

ナショナリズムは政治家が他国と交渉する時のみ必要

 

弱い者いじめはするな、卑怯だから

(武士道の教え)

 

情緒:のに咲くスミレを美しいと思う心

これは数学の研究をする上でとても重要

 

思考するには十分な言語が必要

 

利害特質→経済原理

情緒(物の哀れ)とは異なる

 

知識や技術は蓄積する→時代に引き継げる

人としての賢さ・情緒→一代限り

 

自然との調和

 

天才を産むには

1美しい風土

2ひざまずく心

3金銭や利便性を低く見る精神性を尊ぶ

 

原理主義になってしまうと危険

 

日本には、もしかしたら昔の日本には、良いところがたくさんあったのかも知れません。

言葉に出来ない部分、あるいはそれはしにくいだけかも知れませんが。

利害ではなく高潔さや正しさや情緒といった、やはり品格ともいえる態度。

まさにこれからは、それが大事な気がしてなりません。