愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『日本の名僧二○人』

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悟りを得たい、と思いつつ煩悩に翻弄される日々を送る私です。

四十を過ぎて惑いまくりです。

あれもしたい。これも欲しい。もっと欲しい。

夢はあるけど、ささやかなものです。

 

お坊さんって素晴らしいですよね。

他の人のために様々な行動をしています。時には自らの命も顧みずに、です。

親鸞空海栄西日蓮法然蓮如…。

偉いお坊さんがたくさん登場します。

 

鑑真というお坊さんが中国にいました。五度の挫折がありながらも、日本に来て日本の仏教に貢献してくれました。良く知られた五度遭難した、というのは正しくは無いと本書では教えてくれます。

ところでこのお坊さんは、本当にありがたいです。

仏教では、正式な僧侶になるためには、それ相応の僧侶が五人認める必要があります。

しかし、当時の日本には、その資格がある僧侶がいませんでした。

つまり、そのままでは、いつまで経っても正式な僧侶は日本に生まれ無いのです。

そこで、中国から資格のある僧侶に日本に来てもらうというプロジェクトが持ち上がった、という経緯があったそうです。

鑑真は相当な地位にあったにも関わらず、日本に来てくれます。それも、正式な僧侶を許可出来る資格のある高僧たちまで連れて来てくれました。

まさにこれが日本の仏教の夜明けのワンシーンと言えそうです。

 

一休さんは、破戒僧だったというのは有名な話ですが、かなり高貴な生まれだったというのは、あまり知られていないのでは無いでしょうか?

位や格、僧としての位までも鼻にかけない態度をとります。

女人禁制の戒律などは守らず、お爺さんと言える年齢でも彼女がいます。そして、かなり色っぽい漢詩を残しています。

傾奇者、という言葉が頭をよぎる快僧です。

 

やはり日本人としては、仏教の歴史は知っておきたいですよね。

有名どころが網羅されているので、私の様な初心者にも楽しく読めました。

入門編としておススメです