道徳にたいしての、著者の考えを述べています。
はじめに、著者は本書の内容はあくまでも自身の考えで、他人に押しつけるつもりは無い、と書いています。
そして「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」と結んで、半端が始まります。
道徳教育の良くない点は、様々な価値観を認めていないところにあります。
ある特定の考え方を良いこととして、これが道徳です、と決めつけている節があります。
道徳の教科書では、良いことをするための理由は、気持ちいいから、とされています。
マナーや美意識で行うべき行為に、気持ちいいから、という理由をつけるのはいかにも嘘くさい。
大人が戦争をしているのに、子どもにケンカをするなと言う。
なぜ本を読みながら歩いていた二宮金次郎は銅像になり、スマホ歩きは目の敵にされるのか。
今の世の中では、ウサギは途中で昼寝しない。
他のウサギと競争中で、カメにかまっている暇はない。
いつの時代も、どんな人間にとっても通用する絶対的道徳はない。
私たちが行動する指針は、それぞれの正義であったり宗教であったり美意識であったり本能的なものであったり、そして本書に出てくる道徳である。
これらから、自分がなすべきことを選んで、行動します。
つまり、自分で考えることが非常に重要だと言えます。
日本人は宗教を持っていない場合が多いので、道徳は必要です。
そしてそれが、正しく使われなければいけません。
本書は、あまり考えない人が読むと、考えるきっかけになってくれるかも知れません。