現在の精神科医療に警鐘を鳴らす一冊です。
著者も精神科の医師ですが、現在行われている精神科医療は、改善しなければならないと考えています。
精神病院に入院したら、死亡する確率が高いという、恐ろしい事実が明かされます。
もともと精神病は様々な臓器の疾患と異なり、そうそう死亡するものではありません。
ところが、一度精神病に入院してしまうと、何故か多くの人が亡くなってしまうのです。
何故でしょうか?
多くは血栓塞栓症です。
血栓症とは、血管を巡っている血液が固まってしまい、それが詰まってしまうという病気です。エコノミー症候群も似たような病気です。
では何故血栓症が多いのでしょうか?
それは身体の拘束です。
暴れてしまって危険なので、ベルトのような器具でベッドに固定するのです。
この動けない状態が、血栓症を起こします。
日本の精神科病院では、拘束を受けている患者が多いのです。
自殺率も高いです。
精神病に使う薬剤は危険なものが多いです。
依存性がとても高いものが多く、飲み始めたら止められなくなってしまう危険性が高いです。
また副作用も恐ろしく、体が動かなくなったり、逆に勝手に動いてしまうような症状が出たり、認知障害、記憶障害、さらには自殺衝動の悪化などがあります。
そのため、自殺するような状況ではなかった人が薬の副作用により、衝動的に朦朧とした状態で命を縮めてしまう、ということも多いのです。
そもそもの精神病の診断にも問題があります。
現在行われているのはいい加減に作られた診断マニアルによる、根拠のない医師の主観で行われる診断だと著者は主張します。
本書では、ある登場人物が一件目病院での診断に納得がいかず、合計4件の病院に行きます。そしてそれぞれの病院で全く違う診断を受ける、と言う事実が示されます。
すべての精神科病院が、本書で描かれるようなものでは無いのかもしれません。
しかし、自殺率が高い、入院の死亡率が高い、診断基準等が安定していない、などは重く受け止める必要がありそうです。
精神科にかかることを考えている人、もしくはそのご家族は、読んでおくと良いかも知れません。
まんがで簡単にわかる! テレビが報じない精神科のこわい話 新・精神科は今日も、やりたい放題
- 作者: 内海聡,くらもとえいる
- 出版社/メーカー: ユサブル
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