低価格のイタリアンを出すレストラン。
学生などがよく行く、というイメージでした。
その社長である正垣泰彦氏の、考え方や取組みを取材した内容を紹介している著書です。
安いというイメージが強いのは、安くしようと努力し続けたからです。
また、安いだけでなく、しっかりした品質の物を出すことも続けています。
もともと目指しているのは、イタリアにある、街の食堂です。
美味しくて、毎日食べられる味。また、前菜からデザートまでコースにしたり、ティータイムにしたりと、コーディネートが出来るように考えられています。
そうすると、それぞれの単品は値段を下げる必要があります。
つまり、明確な考えがあって安くしているのです。
従業員に対しても、同様です。
まだ一店舗しかない時期に、お店が全焼してしまう、という事態に見舞われます。
そこまでに経営が苦しかったこともあり、いっそのことやめてしまおうか、という気持ちも芽生えます。
しかし、家族の激励もあり、また大家さんの理解もあり、もう一度同じ場所で頑張ることにします。
それも、従業員の行く場所がなくならないように、という強い思いがあってです。
お客さんも従業員も大切にする。
大震災のときは真っ先に、被災者のために水を供給したりします。
一貫して、相手のために、相手を喜ばせよう、という行動原理で動いています。
こんな素晴らしい会社が、ずっと続いてくれることを願いたくなりました。
なかなか出来ることではありませんが、見習うべきところが多く、良い一冊でした。