愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 いのちの初夜』北條民雄 中江有里

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やはり今死んだ方が良いのかもしれない

 

常に頭の片隅に居座る希死念慮

 

ハンセン病

白斑、紅斑、環状斑、結節

知覚の低下、マヒ、それによる怪我

入院する療養所は、人の一生がそこで全て完結するような仕組みだった

 

脱走患者には罰が与えられる

 

子どもを作るのは禁止

 

社会的な死

 

他人の嫌うらい病と私のらい病とは、なんとなく別のものと思えてならなかった

自身がハンセン病だと認めたくない

差別的な眼差しを捨てきれない

 

作家は自分が一番切実に思うことを書かなければならない

ハンセン病患者を代表する気持ちで書いている

 

使命感

 

ハンセン病患者は差別を受け、偏見に晒されていた

 

死というものは、俺には与えられていないのか

 

死ぬことすら許されない

 

患者となり行き場を失った作者は、書くことで生きることができた

 

ハンセン病である私、を受け入れることから始める

 

患者を自業自得と責める人がいる

ハンセンでもコロナでも

 

過去の自分はもういない

 

絶望し、底の底までいけば、あとは浮かび上がるしかない

 

流行よりも、古今東西の名著を読もう

 

自ら生きる期限が意識される

生きる意義を得る