愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 独裁体制から民主主義へ』ジーン・シャープ 中見真理

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シャープの非暴力論

普通の人が、日常生活の延長として平和活動を行う

 

非暴力を用いる理由は、政治的に賢明な策、だから

 

平和活動の大きな課題は、軍事や暴力との戦い

 

非暴力とは、何もしないことではない

 

ただの無抵抗は、真の平和を生み出しはしない

 

今の自分に無理なく出来ることから始めればよい

処罰を恐る人、抵抗を隠したい人にも、出来ることはある

 

非暴力闘争も、計画性が必要

意図的に、積極性に仕掛ける

時にリスクや犠牲を伴う

 

力関係に大差があれば、交渉が互いに満足できる解決にはならない

ときに交渉相手のリーダーを暗殺、合意は反故にされる

 

人々が抵抗運動を止めれば、弾圧は以前よりも過酷なものになる

だから、ただ抵抗するのではなく、手段を吟味して適切に続ける

 

政治的な力の源は、人々や機関の従順な協力で成り立つ

人々が働かず従わない、非協力、が各所で同時に発生し続ければ、独裁体制は弱体化する

 

独裁体制の打倒には、集団レベルの運動が求められる

 

独裁体制に暴力で挑むのは、相手の得意分野での戦いなので賢明ではない

 

選挙は独裁体制下では機能しない

選挙結果は無視され、勝者は脅迫、逮捕、殺害される

 

非暴力闘争とは、暴力なき戦争

 

兵士たちも独裁体制の犠牲者

味方につける

 

抗議・説得:デモ、座り込み、集会、ポスター、チラシ、シンボル身につける、歌う

 

非協力:不買、未納税、ストライキ、仮病、休み、出来レースが明白な選挙のボイコット

 

不渉:断食、妨害的な買い占め・投げ売り、新システム、政府の立ち上げ

 

政治的柔術:相手の横暴を逆手に取り、倒す

 

独裁者を倒すだけではなく、民主体制をしっかり据えつける

 

小さな抵抗運動から始め、より多くの人に参加してもらう

 

具体的な目標を掲げる

 

ストライキまでではなく、意図的に効率悪く働くなどはしやすい

 

警察、官僚、軍が完全に独裁体制を支持していたら、倒すのはとても困難

 

私たちはロシア人とではなく、共産主義と戦っているのだ

 

CNN効果:自分たちの活動がメディアにアップされたら、そこで満足してしまうこと

 

独裁体制崩壊直後が、新独裁体制誕生の危機

 

三権分立地方分権

が望ましい

 

自由はただではない

自ら勝ち取り、守り続ける必要がある

 

行きすぎた実力主義自由主義

→格差拡大

アメリカ型民主主義の代表的な問題

 

民主的な選挙にも、ヒトラーが選ばれる危険性あり

 

非暴力は完全に貫くことが極めて重要

 

非暴力の勝率53%

暴力の勝率26%

 

暴力の勝利は新抑圧体制を生じやすい

 

運動成功に大事な要因

人々を大量動員する

軍や警察に変化をもたらす

 

個人は無力、結束して大勢力形成を目指す