日本では自殺者が他国よりも多い、と言われています。
自ら命を絶ってしまった人たちが、どんな状況で何を思っていたか、家族はどう感じたか。
5人の自殺をしてしまった方の遺書と、その前後の状況を本書は紹介しています。
13歳で首をつったバスケ部の少年。
遺書にはいじめの存在を書いていたが、その4人の名前は伏せていた。
亡くなってしまったので、本人の真意は分からない。
しかし学校側は、それをいいことにいじめの存在すら認めようとしない。
25歳で飛び降りた機関士の青年。
鬱を患い、機関士の仕事が出来なくなってしまった。婚約者がいた。
母親は、彼と同年代の人を見ると、思い出してしまうため、極力忘れるようにしている。
13歳で首をつったバスケ部の少年。
同じ部活の同級生6人からいじめを受けていた。
親は、まさか息子が死を考えるほど追い詰められていたとは、つゆほども思わなかった、という。しかし、服が破れていたり、いじめのアンケートで無視されていると書いたり、家庭日誌で疲れたとき何度も書いたりと、後から考えると、本人は助けを求めていた。
14歳で自宅の倉庫内にあるロープを使い首をつった野球部の少年。
三人の不良グループに再三お金を取られたり、暴行を受けたりしていた。
病院で診断書をもらったり、何度も警察に出向く事もしていた。
19歳で9階から飛び降りた空手部の少年。
部活内でお金を取ったり取られたりという事件が頻発していた。
中学や高校の時に空手では、全国区の活躍をしていた。
自殺は、本当に無くなって欲しい。
本人が生きていたら、その先に成し遂げたはずの功績や、喜びを思うと、実に惜しい。
また、ご家族や友人の心痛は察するに余りある。
自殺の兆候を周囲の人が見つけたら、最大限の努力で、みんなで救ってあげたい。
学校から逃げさせてあげたい。
自殺の原因から、遠ざけてあげたい。
全ての子を持つ親へ。
身近な人が鬱であったり元気がなかったりする、全ての人に知っておいて欲しいことが、本書には書かれています。