愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『気分はもう、裁判長』北尾トロ

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裁判の傍聴が趣味で、傍聴記などを多く著している著者。

本書は、裁判の様子を誰にでもわかるように、優しく丁寧に解説しています。

度々出てくるイラストは、犯罪に関わるお話にピッタリな、とても味のあるものです。

 

裁判官、弁護人、検察官、被告人の座る位置がイラスト入りで紹介されて、裁判気分が盛り上がってきます。

まずは罪状認否です。

ここで被告人が罪を認めなければ、犯行があったかどうかが争点になります。

認めたら、犯罪の重さが争点になります。

 

傍聴席には、傍聴人が座ります。

ここには、希望した人が自由に座れます。

本書では、女子学生が大勢入って来ます。

被告人の犯した罪は、痴漢です。

針のむしろです。

実はこれは、著者の見解では、良い裁判と言えるのだそうです。

何故か?

それは、裁判を通して被告人が「もう二度と犯罪をしない」という心境になるから、だそうです。

納得です。

 

最後に、裁判長が判決を下したのち、説諭をして終わります。

ここで良い事を言うと、かなり裁判が締まります。

まさに、気分はもう、裁判長でした。