愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『名画で読み解くイギリス王家12の物語』中野京子

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連合王国とかUKとか、日本ではイギリスと呼ばれている国は、かつては大英帝国とも呼ばれていました。

もともとは歴史的に王がいて、それが統べていた国です。

写真が無かった時代は、絵画を自身の宣材として使っていたそうです。

お見合い写真としてであったり、王の威光を多くの人に知らしめるためであったり。

それらの名画と、実際の王たちの所業とを引き比べて見ていく、というのが本書の主旨です。

表紙の絵は、王位継承争いに巻き込まれて敗れた王女候補が、これから処刑されるところです。

同様に血生臭い物語がいくつも続きます。

王位がそれだけ美味しいということなのか、権力欲のある周囲の人々に巻き込まれるのか、そうするしか生きていけないのか?

なんとも苦しい読後感です。

しかし、まさにこれが歴史というものなのでしょうね。