愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 風姿花伝』世阿弥 土屋恵一郎

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世阿弥シェイクスピアよりも200年前の人物である

シェイクスピアが書いていない演劇論まで既に著している

 

(珍しきが花) = (イノベーション理論)

ドラッカーと共通点がある

 

世阿弥たちは乞食として差別される階級だった

 

稽古に励み芸を大事にすれば、必ず成果はある

さらに自身でも工夫する。言葉で言えないものもある。それも心で心に伝えられる

 

努力で作られる才能はあるので、正しく努力すれば良い

 

(君は手で絵を描くのか)

 

複式夢幻能
物語前半:人物が登場

物語後半:その人物の見る夢が演じられる

 

花: (新しいこと) (珍しいこと)

→面白いこと

 

初心はたくさんある

若い時、人生の時々、老後

その時々のあったことを習い、老後の風体に似合うことを習う

 

若い頃はもてはやされるもの

そこで名人気取りは(浅ましい)

 

老木に残る花→全てがなくなったところに残る

 

良い時こそ慢心せず稽古する

 

年を経たら、後継者の育成

やってはいけないとされてきた事を少し混ぜる

→歳をとった役者のみに許される自由の境地

→下位の能を自由に演じるのが良い

社会も老人が花を咲かせられるシステムを準備できると良い

 

世阿弥は多くの分野から言葉を借り、なければ自分で作って説明した

→既存の言葉では満足できなかった

 

院政期や武家社会では(男色)文化があった

→能は(稚児)の存在を認めて、それが中心になっている

 

どんな身分でもそれぞれが花を身に付けたように演じる

 

常に手を出す時、歩く時、ブレーキをかけられつつ舞う

 

自分と言うよりは客のタイミングで出る

 

声も同じ(時節)を捉えて発生する

 

周囲の様々なことを引き入れ、関わっていく
武士の世になり、わかりやすい言語を使う(言語革命)が起きた

 

相手の時は静観、自分の時に出す手を考える

 

信あれば徳あるべし

 

秘して隠すからこそ(花)となる

しかし必ずどこかで使う、そうでなければ意味がない

そこでまた新しい(花)を作る

 →自己の更新

住するところなきを、まづ花と知るべし

相手から学ぶには、相手に教えるものを持つことが大事

能は対戦形式でもあるのですよね。
読んでいて、五輪書を思い出しました。
一芸に秀でるということは、違う分野でも通じるものがあるのかも知れませんね。