愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

犬に乗る

今週のお題「乗ったことがある動物」

 

娘がまだ赤ちゃんだった頃に、実家に遊びに行くことがありました。

そこにはゴールデンレトリーバーがいました。

私が学生の頃に家に来たので、最早かなりのご高齢でした。

まだ立つ事も出来ない娘よりも、よほど大きな体で、リビングで長くなっていました。

娘はまだハイハイすら出来ない赤ちゃんだったので、楽しく接するということはまだ出来ませんでした。

それでも、上に乗っているフリで、写真を撮りました。

 

それから数ヶ月のちに、その子はガンで亡くなってしまいました。

年齢的に不足は無かったけど、やはり淋しいものでした。

 

小学生になった娘とアルバムを見る機会がありました。

「この犬は何?」

件の写真を娘は指さしていました。

会ってみたい、とも言いました。

「その子は写真を撮ったあと、しばらくで亡くなってしまったんだ。だから会えないんだよ」

「そうなんだ」

残念そうにしてから、娘はふと何かに気づきました。

「もしかして、この子、私を乗っけて重かったかなあ?だって、この時には、もう病気だったんでしょう?」

そう言われてから、もう一度写真を眺めて見ると、何となく重くて可哀想に見える気もしてきました。

 

乗っているフリで、体重は全然かけてい無いのですけどね。