愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 武士道』新渡戸稲造 山本博文

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日本人の道徳意識や思考方法という日本文化の解説書

 

武士道は文字に書かれた掟ではない、口伝や格言

 

仏教、神道儒教が源

おちつき、生に執着せず死に親しむ

主君への忠、先祖の崇拝、親への孝、謙譲

君臣、父子、夫婦、兄弟、朋友の関係

※それ以前から日本人の反応として知られていた

 

名誉:もっとも重要、命よりも、主君への忠義も名誉のため

これは世間が認定するもの

 

欧米では「日本は好戦的で野蛮」というイメージ

『武士道』がそれに反論した

切腹も擁護した

 

潔く死ねれば、武士の名誉

 

名誉は利害と無関係

 

義理:人として武士として行うべき道

 

一分:これをしないと「この自分の気持ちがすまない」という心の動き

 

礼:泣く人とともに泣き、喜ぶ人とともに喜ぶ

 

顔で笑って心で泣いて

 

好意を「謙譲」で表す

米人は好意を「主張」する

 

「恥」を恐れよと、武士の子は一番に教えられる

 

武士はその身分という一点で、平等の存在だった

 

微笑みの文化

 

苦しくても不平を言わず耐える

相手を思いやり、感情を抑える

→ 外国人からストイックに見られる

 

人格の形成が第一

 

技術的な才能は軽視された

 

武士が刀を抜けば、必ず相手を切り留めねばならない

また、切腹が命じられる

→刀を抜いたら、その武士は必ず死ぬ

 

死ぬことと見つけたり

どちらにしても武士道は死ぬことになる、という諦め

 

職人も農夫も面目と名誉を重んじていた

 

桜は華美でなく、色淡く、何より潔く散る

 

武士道では金銭が汚いとする観念がある

 

欧米の主な国は、自らの価値観、論理をスタンダードとして、その他の国へ押し付けてきた

 

日本には日本の、グローバルスタンダードではない文化がある

 

武士とドン・キホーテは似ている

 

東日本大震災での日本人の振る舞いは、静かな威厳、だった

まさに克己心のあらわれ