愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『法律の常識』酒井将 講談社

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私たちが社会生活を営んでいく上で、様々なトラブルが起きます。

そういった時に誰が正しくて何が正しくないのかということを決めるのは、国民共通のルールである法律です。

身近に起こりそうなトラブル、そしてそれに対しての法律的な考え方を、本書では紹介してくれています。

 

お寿司屋さんで2000円の握り梅を注文しました。

お料理が出てきて、しばらく食べ進めたところでそれが松だということに気づきました。

松の値段を見ると4000円です。

この場合は4000円を払わなければいけないのでしょうか? 

まずこの時代の法律的な解釈はこうです。

お店は梅を頼まれているのに松を出してしまったら、梅を出すことに対しての債務不履行になります。

そのため、店にはまだ梅を出す義務が残っています。

一方お客さんは、松が来たと言うことに気づいて食べていたら、不当に利益を得たとみなされ松の代金を支払わなくてはなりません。

しかし、松だと知らないで食べていたら、料金は支払わなくても良いです。

途中で気づいた場合は、その時点で現存利益、つまり食べていない分をお店に返す必要はあります。

 

隣の家からタケノコが生えてきたら、それは掘って食べても良いです。

しかし柿の木が枝を張り出してきても、それをとってはいけません。

 

書店で、雑誌の1ページをスマホで撮影しても犯罪ではありません。

 

未成年者にタバコねだられてあげた場合は、罪にはならない。

しかし、未成年者にタバコ屋ライターを販売した人は処罰の対象になります。

 

描け麻雀で負けた金額を支払わなくても罪にはならない。

賭け麻雀自体が犯罪、つまり公序良俗に反する契約となるので、この借金は無効となります。

 

もし大きなトラブルに巻き込まれるようなことがあれば、弁護士さんに相談したり、場合によっては裁判をすることになります。

そこまでいかないトラブルは、ある程度の法律的な知識があれば、不安を解消できたりトラブル自体を解決したりできます。

本書は、一般的な生活を営む人たちにとっても、心の支えになるかもしれません。