愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『山中伸弥先生に人生とiPS細胞について聞いてみた』

f:id:kazuyoshisan:20200804192308j:image

ノーベル賞受賞者山中伸弥先生が著者です。

自身の半生を交えつつ、iPS細胞や研究について解説しています。

 

患者さんを救うために、著者は医学部に入りました。

ところで、医者は患者さんを診療する臨床医だけでなく、新しい治療や薬を開発する研究者もいます。

現在の医療では、手術や投薬をしても治せない患者さんが存在します。

そこで著者は、そのような患者さんを治すことが出来るように、研究者の道を選びました。

大学院の入試がギリギリの成績だったり、アメリカで就職したけど日本に戻ってきたり、就職先がなかなか見つからなかったり、状況かあまりに以前とかけ離れていたり。

ありとあらゆる困難が出てきます。

それでも、多くの努力や素晴らしいチームのメンバーや機会に恵まれて、ついにiPS細胞の作成に成功して、それが論文に掲載されます。

他国のチームより一日の差だったそうです。

ちなみに、この種の論文は一番と二番では、価値が物凄く異なるのだそうです。

 

iPS細胞の作成がゴールではありません。

次にそれを、臨床で使えるようにする必要があります。

その研究を現在すすめているそうです。

確かに臨床医よりも、物凄い数の患者さんを救える可能性があり、とても有意義な仕事だと言えます。

山中伸弥先生の今後に目が離せませんね。