日本で一番有名な仏教の宗祖である、親鸞。
その一番弟子が、親鸞の言った事を元に書いた、これもあまりにも有名な歎異抄。
本書は五木寛之氏が、それを私訳したものです。
何よりも大事なのは、お言葉をそのまま正しく受け取ること
善人ですら救われる。まして悪人が救われないわけがない
人間は生きるために他の命を食すと言う、根源的な悪を抱えて生きている
狩人、漁師も業。農業も草地土の命を奪うと言う業、商いも業。
生きるものは全て深い業を持つ。すべて悪人。
己の悪に気づかない善人でさえ救われると言うのは、そういう意味である
薬があるからといって何もわざわざ毒を飲む事はない
何を指して善と言うのか、何をさして悪と言うのか自分には全くわからない
無常なこの世には真実はどこにも見当たらない
『善人なおもて…』
という有名なフレーズの解釈が、とてもしっくり来ました。
善と悪を決める基準がわからないというのも、世の中に真実は見当たらないというのも、とても腑に落ちました。
名訳です!