著者は投資の仕事をしています。
投資と言うと、株を値上がりしたら売り、安くなったら買う。その利ざやで儲ける商売です。
つまり企業と言う商品を売買して、お金を稼いでいるということです。
しかし、著者はそれよりも大切にしていることがあると言います。
コンビニでペットボトルのお茶を、150円出して買いました。そのお金は一体どこへ行くのでしょうか?
こんな問いかけが、最初に出てきます。
それに対する、著者の答えはこうです。
店員、店長、コンビニの本店、運送業者、石油メーカー、お茶、飲料メーカー…。
ほぼ無限に広がっていく、ということです。
つまり、お茶を買うだけでも、実に多くの人に対してお金を払っている、と言えます。
上記のように、仕事をしていなかったとしても、消費をすることで社会貢献ができます。
だから、赤ちゃんも社会貢献をしている、と考えられます。
日本人は寄付をほとんどしない国民です。アメリカ人の平均は年間1人130,000円、一方、日本人の平均は年間1人2500円です。
日本人は清く貧しい生活を美徳としています。
しかし、清く正しいことをしてお金をたくさん稼ぐのが最も良い、とは考えられないでしょうか?
消費者が過度に安いものを求める結果、コストを下げるために従業員を酷使し給料を下げなければなりません。
この構造によって、ブラック企業が生み出されています。
経済とは、お金を通してみんなの幸せを考える、と言うものです。
成功の定義は人それぞれです。
ある海外の富豪は、長期的な人間関係を築いて人に奉仕することが成功だ、と述べています。
ただお金を稼ぎ増やすのが、一番大切ではありません。正しいことをして稼ぎ、社会の為に正しく使う、そして自分なりの成功を手に入れる。
そのようにして人々が経済活動をして、幸せに暮らしたり、成功を手に入れるのが、著者の望みなのかも知れません。