愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『賢人の知恵』バルタザール・グラシアン

様々な賢人も、本書から知恵を得たと言われています。

理想的なことだけでなく、現実に即した実践的なことが、数多く書かれています。

 

愛想を良くする

大勢の人から善意を引き出すことができる

 

萎縮しない

どんなに偉い人でもみんな生身の人間である

 

愚かな人に煩わされない

こういう人が自分の周りにいると危険

 

貸しは取っておく

つまらないことで返してもらってはもったいない

 

黙する時を知る

それによって、相手には気を持たせることができる

 

貸しを作る

先に相手の願い事を叶えておく

 

秘密を聞き出す

相手の本心や意図を巧妙に探り、何気なく口にしたことも問いただし、疑念を表明する

 

相手の欲望を利用する

その達成が困難だと強調し、こちらのペースに持ってくる

 

量より質を重んじる

最上級のものを少しだけ味わう

 

自分の愚かさに気づく

 

世間が認めているものにケチをつけない

 

話し方や作法を絶えず吟味する

 

なんでも2倍もつ

依存せずに済む、人生に必要なものは必要量の2倍持っておく

名声、正しい態度、喜びも

 

見られているつもりで行動する

 

多芸を磨く

多くの側面があれば、それだけ魅力や楽しさが上がる

 

いい道具を使う

仕事がしやすい、言い逃れをしないですむ

 

時に姿をくらます

会えないと相手からの思いが募る

 

重要なことから始める

 

平穏に生きる

自分に関係ないことに口出ししない

 

満腹より空腹を選ぶ

 

変な理想論ではなく、実践的なものです。

著者は人の感情の機微を知る、なかなかな人物だったのでしょうね。

読み方によっては、怖い話です。