表紙の写真を見たら、父とそっくりだな、とある世代以上の人は思うはずです。
著者は、アーチャリー、という別名で教団内で生活します。
小学校には通わず、教徒たちに勉強を教わりつつ育ちます。
教団内での宗教的地位はかなり上の方です。
しかし信徒から特別に尊敬されている様子はなく、教祖の子どもだから高い地位にいることを、見透かされているように見えます。
記述を見る限りでも、宗教的な教育を十分にしてもらっているようでもありません。
麻原彰晃は、教祖でもあり父でもあるのですが、著者にとってはただただ父親なんだろうな、と感じさせます。
教祖に対して、教団に対して、宗教に対して。
特殊な家庭に生まれ特殊な環境で育ちました。
一般的な人格や思考などを形成するのは、とても困難だと言えます。
著者なりに考えて行動してきたのでしょう。
自傷行為なども繰り返して。
一般的な家庭に生まれていたら。
せめて一般的な宗教家のもとで教育を受けられていたら。
きっと違った人生になっていたはずです。
本当に著者が不憫でなりません。