愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ルポ路上生活』

「勇気づけられるわー!!」 これが本書を読んだ第一の感想です。 著者は西成での日雇い生活などを書いている、ルポライターです。 本書では舞台を東京に移して、路上でホームレスとして生活をルポします。 季節は夏、スタートは新宿です。 その後、上野や荒…

『超ドリブル講座』岡部将和

フットサルやサッカーで、武器として身につけておきたいプレーの花形といえば、ドリブルです。 本書は、ドリブルデザイナーという肩書きで活動する、岡部将和氏によるドリブルの本です。 絶対に抜ける状況に持っていくにはどうしたら良いか? まずそのための…

『ヤクザ・チルドレン』石井光太

ヤクザの子どもとして生まれたら、どんな苦労があるのか? 少なくともアドバンテージは無いように思います。 本書はそんな疑問について、実例を上げて答えてくれています。 同じヤクザの道に行く者。 覚醒剤を教えられる者。 差別に合う者。 生まれが違った…

『だから、生きる』つんく♂

喉に出来たガンにより生命の危機を迎えた著者は、歌手でした。 声が出なくなるのも辛いのに、死ぬかも知れないとなると、本当に辛かっただろうと想像できます。 本書は著者の歌手やバンド活動、プロデューサー業務、声が出せなくなってからの活動などが赤裸…

『極楽に行く人、地獄に行く人』水木しげる

『ゲゲゲの鬼太郎』などの著者である水木しげる氏が、極楽と地獄について書いた本です。 著者は戦争で片腕を失います。 当時は多くの人が死にました。 著者が生きのびられたのも、偶然だったと言えるでしょう。 生と死についてはみんな身近に感じる時代でし…

『秦の始皇帝』陳舜臣

初めて中国を統一した秦の始皇帝。 それまでには殷があり、周がありましたが、それでも広大な土地の一部を支配するのに留まっていました。 ある見方では英雄であったり、天才であったり、といわれる始皇帝。 しかし本書では、ある意味で出るべくして出た人物…

『宇宙兄弟35』小山宙哉

いつか人はどんどん地球を飛び出して行くのですよね。 今でもISSなどで活動している人たちもいます。 本書は宇宙飛行士になった主人公が、月で大事なミッションに挑んでいます。 月は地球から最も近い星ですが、それでも宇宙は地球と異なりわからないことが…

『陰陽師 安倍晴明』志村有弘

昔の日本には、陰陽師というものがありました。 呪いで人を病気にさせたり、殺したり。 はたまたそれを助けたり。 地面の下に埋めた人形を相手が跨いだら、もはや相手は術にかかってしまう。 護摩を焚いたり、調伏したり。 現代から見ると科学的ではないから…

『論理トレーニング101題』野矢茂樹

論理的に考える。 感覚的にわかっているような気がしますが、実は何をもって論理的というか、実は理解出来ていない人は多いはずです。 例えば二つの文章を比べて、どちらが論理的か正当な理由を持って説明できるでしょうか? 本書はどうやって文章を読み解く…

『短編小説のレシピ』阿刀田高

短編小説家による、短編小説の書き方本。 それも著者は短編小説で有名な阿刀田高氏です。 読んでいてわかりやすいのは、著者がもともと人に教えるのが好きだから、のような気がします。 さて、本書を楽しく読むと短編小説が書けるような気もするのですが、や…

お父さんの本棚

今週のお題「本棚の中身」 「本棚にある本は好きに読んでいいよ」 そう娘に伝えた時に、ふと気づきました。 中三女子に見せたくない本があることに。 古典の名作にも。 近代の小説にも。 それどころかマンガにさえ。 大人のシーンがあるのですよね。 さ、早…

『いまからはじめる俳句』

ゼロから俳句を始めるにはどうすれば良いか? それを本書では、丁寧に解説しています。 俳句の先生と初学者たちで吟行に。出来をみんなで話したり先生が添削したり。歳時記のおすすめなども紹介しています。俳句って楽しいんだな、そう感じられる著書です。

『ニャアアアン!③』鴻池剛

イケイケの猫2匹と一人暮らしをする著者。 実際にそういう猫を見たことのある人は、本当に感情移入ができるのではないでしょうか。 マンガですが、たまに腕を猫に引っ掻かれた後の写真などが出てきます。 そうです。 猫は元々肉食獣なのだと思い出させてくれ…

『愛国者たちへ』櫻井よしこ

日本はかなり屈強な国々と接しています。 北朝鮮! 中国!! ロシア!!! 最近では本当に危険ですよね。 ただ日本が平和を願っていても、何ともならないのは明白です。 そこで日本人は、愛国者は、しっかりと現状を理解して対応していかなければなりません。…

『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』

「ただいま!」 玄関のドアから入ってそう声をかけたら、そこには妻の遺骸が。 でも大丈夫、死んだふりです。 でも、それが度重なると? 著者の妻はいつも死んだふりで旦那の帰りを迎え(?)ます。 最初は当然びっくりしますが、いずれ慣れます。しかしそれ…

『バカには絶対解けないナゾナゾ』

ワトソン クリック ピョートル大帝 ナポレオン三世 有名な人ではありますが、うっかり忘れていたり、すっぽりと知識から抜け落ちている偉人。 そんな人たちが解答になっているナゾナゾです。 どちらかと言うと知識を問われるクイズという面が強いように感じ…

『100分de名著 大衆の反逆』オルテガ 中島岳志

過去の人々の失敗に基づく経験知がある 民主主義と立憲主義は、どうしても相反するところがある概念 →でも、死者とともに民主主義を行うのが良い 専門家は間違える 「私」の本質は自ら選んだわけではないものにより成立している 一方的に自分の信じるイデオ…

『小さな悟りを積み重ねる』アルボムッレ・スマナサーラ

付和雷同は単なる逃げである ありのままに見る 錯覚から「目覚める」 → 1日にしてできることでは無いから、日々小さなひらめきを積み重ねる 自分も世界も因果法則で起こる、一時的な現象 「あきらめる」=前向きな姿勢 心の自由:すべての束縛から離れて究極の…

『人はなぜ「死ぬのが怖い」のか』前野隆司

「いかに生きるか」「なぜ生きるか」 =「いかに死ぬか」「なぜ死ぬか」 科学的とは正しい見方と言う意味ではない 系統的な「確からしさ」を増すもの、帰納法 過去の「エピソード記憶」ができるのは、鳥類と一部哺乳類だけ 神道信者もしくは仏教信者 多くの日…

『Enjoy simple english』

英語を身につけるための本です。 話せる、とか書ける、というよりも読めるようになるために書かれています。 最初に、訳すのではなくそのまま読んでみよう、とあります。 ある程度英語を学んだことのある人なら、意味はわかるように書いてあるので、なんか楽…

『誰にでもできる恋愛』村上龍

エッセイです。 著者は若くから小説家として作品が評価されている、村上龍氏。 恋愛についての女性の状況や悩みなどについて言及しています。 作者自身は強い。 その言葉も強い。 言っていることはどれも頷けるものです。 人によっては厳しいのかも知れませ…

『ステップアップ中国語』

日常で使える中国語をステップアップさせるのが、本書の趣旨です。 ゴミの分別方法を教える 医者へのかかり方 具合が悪いときの言い回し どれも実践的です。 中国語でコミュニケーションを取ろうと考えたら、これくらい話せるととても良いですよね。

半袖たちから

今週のお題「夏物出し」 暑い日が出てくると、半袖を着るようになります。 下も薄手のものを履くようになり、さらに丈が短いものに変わって行きます。 それに伴って、今まで来ていた長袖や厚手のものは、しまい込むためにタンスや押し入れの奥の方へ。 それ…

『淳 それから』土師守

児童が殺されて、その生首が校門に晒されたという、衝撃的な事件がありました。 さらに恐ろしいことにその犯人は少年で、目的は性的な興奮を得るためという、何とも救われないものです。 本書は被害者である少年の父親と弁護士が著者です。 少年法により過度…

『ものの見方が変わる座右の寓話』戸田智弘

有名だったりそうでもなかったり、という様々な寓話と、その解説が書いてある著書です。 古今東西のお話が出てくるので、考えかたは様々に出来そうです。 著者の解説は標準的なもので、安心して読めます。

『ブッダに学ぶほんとうの禅語』アルボムッレ・スマナサーラ

莫妄想:妄想しない ほとんどの苦しみは妄想による自作自演 「誰かがわたしに怒鳴っている」 この理解は妄想 ※実際の相手の意図は無関係 その人は空気を振動させている それが耳に触れたという現象 放下着:放っておく(執着しない) 妄想は執着から生まれる …

『プレジデント 精神内科、心療内科のウラガ側』

診療内科、精神科。 現代に生きる人たちにとって、ひょっとしたらお世話になるかも知れない場所です。 大っぴらに調べるのも憚られるし、かと言って辛いのをそのままにしていると、さらに危険な気がします。 そこでこのような雑誌であれば、とっかかりとして…

『理想の国語教科書』斎藤孝

文章の内容よりも筆者のパッションを感じることが大切自分の基準、やり方で学問に取り組めば良い 3月11日の時、中国、韓国、アメリカ、ロシアなど世界中から支援が来た 文明には「人民独立の気概」が必要 判断基準を外に求めるな 自らを軸にして物事を判断し…

『テロルの決算』沢木耕太郎

政治家が演説中、右翼思想の青年に刺殺されるという事件が起きました。 本書はその事件を、加害者の青年と被害者の政治家、それぞれの立場を書いたものです。 かつての日本は、このような事件が起きうるような社会でした。 クーデターを企てるような事件さえ…

『罪と罰を読まない』

有名な作家四人による、『罪と罰』を読まない対談です。 タイトル通り、罪と罰を読んでいない人たちが集まって、罪と罰について語るという実験的な企画です。 とは言え、さすがに少しは知識がそれぞれにあり、またヒントも与えられます。 作家なので、自分だ…