愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『平家物語』吉村昭

平家物語の現代語訳です。 平家の棟梁である平清盛が、権勢をきわめるところから物語は始まります。 権力を手にして、天皇や法皇までを意のままにする平家一門。 都を移したりまた戻したりと、まさにやりたい放題です。 そして遂に平家を討伐する動きが出て…

『子どもと性被害』

父親に、親戚の叔父さんに、教師に、習い事の先生に。 様々な男により性被害は起こされます。 その対象は、どんなに幼い少女にも及びます。 体が小さくてもお構いなしで、手でも口でも何でもござれです。 それぐらい下衆な人間だということです。 読んでいて…

『悪魔が殺せとささやいた』

14の殺人事件のあらましを書いています。 事件の様子よりも、そこまで至る過程を丁寧に解説しています。 人を殺めるのに正当な理由なんて絶対にないはずです。 それでもこのように事件発生までを追っていくと、犯人にはそういう言い分があったのだ、というこ…

『10才までに覚えたい言葉100』

小2の娘に読んでもらうために購入しました。 「どういう意味?」 聞かれそうな言葉が数多く解説されています。 マンガでわかる上にコマ数が多すぎないので、テンポよく多くの言葉に触れながら読めます。 絵も可愛くて読みやすいし、面白い。 読書をあまりし…

『僕たちは、地味な起業で食っていく。』

起業というと一般的にはかなりハードルが高いように感じられます。 しかし本書は、そこまで大変ではない起業を提案しています。 それは雑用の起業です。 エクセル入力 セミナー出席代行 ホームページ管理 などなど。 実にたくさんの仕事があります。 特殊と…

『ムダゼロ会議術』

リーダーの他、タイムキーパー、書記、議事録などの役割を決めておく 応用でたくさん発言する役、正反対の意見を言う役など ブレスト 否定しない、のっかる、意見を足す 会議終わりに確認 タスク 担当 期日 ムダな会議は多いですよね。 時間も労力も使ってム…

『100分de名著 古事記』三浦佑之

古事記は国家や権力と切り離して読むと面白いそうです。 まずは天皇家を称賛するために書かれたという認識を捨ててみましょう。 種々の神話の発想 つくる:聖書、一神教 うむ:男女神 なる:温帯湿潤な地域 青人草:人は草と同じ、自ずと萌え出る 天つ神と国つ神…

『疑う力』堀江貴文

サブタイトルは、常識の99%はウソである。 テレビやニュースは視聴率をとるという価値で動いている Amazonによりマイナーな本も流通可能になっている 薄利多売は非合理的 キャッシュレスはメリットが多い 事件当時のオウム真理教は、非モテ男の集合体と感じ…

『年収100万円で生きる』吉川ばんび

年収100万円だと、いったいどんな生活になるのでしょうか? 本書は、実際にその程度の収入しか得られない生活を余儀なくされている人々を、ルポ形式で紹介しています。 怪我や病気やリストラなど、苦しい生活になるきっかけはいくつもあります。 著者も厳し…

『Newton 感覚ー脅威のしくみ』

視覚や嗅覚や味覚など、われわれは常にそれを察知しながら生きています。 それも片時も途切れることなく。 それにしてはどのような仕組みなのか、無自覚に過ごしている気がします。 実際には理科で習ったはずなのですけど。 本書はそれを図解で網羅してくれ…

100万円くれるの?ふーん、そうなんだ!

今週のお題「100万円あったら」 現在44、10月になったらまた一つ歳を重ねる。 毎月まとまった額の住宅ローンを返している。 自営業なので、毎日いくらかの現金を金庫に入れて、まめに銀行に預けている。 お金は日常的に見られて、すぐに右から左へ通り過ぎて…

『主は「たとえ」で語られた』

主とはイエス・キリストを指します。 本書はキリスト教における主の語ったこと、その中でも例えで語った部分を抜き出して、そこに解説を加えています。 わたしたちが読む場合、聖書における例えは簡単ではありません。 まずは時代と場所が全く違うことを認識…

目から鼻に抜ける?何が?

今週のお題「575」 一を聞き 一を知っては 二を忘れ 趣味は読書です。 単純に好きなものを読むのですが、ある程度は賢くなれるものを意識して選んでいます。 そんなわたしはさぞ素晴らしい人物になっているかと言うと…。 孔子曰く 弟子の一人は一を聞いて十…

『こはる日記』益田ミリ

女子学生のこはるが主人公です。 どこにでもいそうな普通の女の子です。 好きな人はいるけど、恋愛にまで発展する事はなく。 友だち同士仲良くすることに心を砕き。 なんだか女子って大変なんだなぁ、と。 そんな印象を抱きました。

『人新世の資本論』斎藤幸平

先進国が豊かな生活を送る ガソリン、牛肉、綿花→グローバルサウスから搾取している (大洪水よ、わが亡き後に来たれ) 二酸化炭素排出の影響に苦しむのは将来の世代 外部化ができなくなり先進国が被害者になってくる、今が変われるチャンス 資本主義は人から…

『ニッポンの伝統芸能』

歌舞伎、能、狂言、そして文楽。 実に古くからある、ニッポンの伝統芸能を紹介しています。 面をつける、人形を使う、楽器を使う、主人公の人となり、話の内容。 それぞれの違いがわかりやすく解説されています。 世襲制とそうではないのとの理由もあり、興…

『ビジネスの装いルール完全BOOK』

40も半ば。 よい年齢です。 しかし普段はスーツを着ない仕事なので、なかなか素敵な装いが出来る気がしないのです。 そこで本書です。 スーツは場面によって、そぐう色や形などがあるようです。 丈の長さやフィット感は同じですが、それにも一定のルールがあ…

イベンター

今週のお題「そうめん」 イベント好きの友人がいます。 十五夜に団子を食べる会。 年末には餅つき。 年が明けて書初めと、羽子板をして実際にすみで顔にバツを書く対決。 お花見をして。 そして夏。 流しそうめんをしました。 長い竹を半分に割ってそれを繋…

『朝鮮学校の青春』金漢一

朝鮮学校 ある時期に学生だった男子たちには、恐ろしい響きに聞こえるはずです。 街を歩いていたら、無理矢理とも言えるような絡み方をして、喧嘩を売ってくる。 喧嘩になると雲霞のように集まってくる。 勝ったとしても、しつこく仕返しにくる。 絶対に相手…

『曽根崎心中』近松門左衛門 角田光代

江戸時代の遊廓で働かされている遊女。 そこに通いはじめた手代。 二人はお互いの全てを話して心を許しあった。 それぞれの境遇は似ていた。 遊女が幸せになるのは難しい。 遊女を幸せにするのは難しい。 そもそもこの時代で幸せになれるのは、限られた人た…

『本にまつわる世界のことば』

世界中には様々な言語があります。 本書はそれら言語から、特に本についてのことばをたくさん紹介しています。 それらのことば一つ一つに、作家さんがお話を付け加えているというオマケつき。 解説ではなく自由なお話というのが特徴的で、それぞれの挿絵も秀…

『東京いちどは訪れたいお寺の名建築』

東京にも数多くのお寺があります。 京都や奈良のイメージは強いかも知れませんけど。 本書はそれらを解説と豊富な写真で、紹介しています。 浅草浅草寺 鬼子母神 吉祥寺 池上本願寺 そのお寺の、有名な絵や仏像の写真や由来を書いているのも、楽しいです。 …

『日本の歴史366』

日本であった歴史上のさまざまな事件を、とても簡単に解説している短編集、とでも呼べそうなものです。 それが366あります。 年代に関係なくその日に何が起きたのかを紹介しているので、歴史の流れを掴むのには不向きかも知れません。 しかし可愛いイラスト…

『言いかえ図鑑』

言い方により相手が受ける印象はかなり変わります。 つまらないものですが →心ばかりですが はいはい →はい、わかりました かなりの量のことばが紹介されています。 まずは相手を良い気持ちにさせよう。 そんなマインドで話すと良いのでしょうね。 本書はそ…

チンテン

今週のお題「わたしのプレイリスト」 ウチの妻は音楽好きです。 若い頃にオーディションを受けたら受かったはず、なので受けなかった! というくらいの音楽好きです。 娘がいます。 中二です。 流行りの曲にとても詳しいお年頃です。 もう一人娘がいます。 …

『Newton 睡眠の教科書』

人は1日のうち、三分の一程度は眠っています。 その質により、起きているときのパフォーマンスがかなり変わる。 つまり眠ることはとても大事なのです。 ノンレム睡眠とレム睡眠がある。 一晩の睡眠中に複数回繰り返される。 その中で最も良いタイミングで起…

『ソクラテスの人事』

様々な企業の就職試験を集めた問題集です。 誰しもが、ある程度名前を聞いたことのある社名もあります。 そしてこれらの試験問題に、著名人が答える。 それを企業側が解説する、という構成です。 意図がわからない問題もあり、解説を読んでそれがわかる問題…

『ぼくが葬儀屋さんになった理由』

結婚前に相手の両親に挨拶をしに行く。 なんとも緊張するイベントです。 とは言え、昔と違って「許さん!」などということは、まずありませんよね。 ところが本書の著者は、なんと相手家族ほぼ全員一致で反対されてしまいます。 それは、葬儀屋という職業が…

『止まった時計』松本麗華

オウム真理教の教祖である、麻原彰晃の三女の手記です。 表紙の写真を見たら、父とそっくりだな、とある世代以上の人は思うはずです。 著者は、アーチャリー、という別名で教団内で生活します。 小学校には通わず、教徒たちに勉強を教わりつつ育ちます。 教…

『種の起源』ダーウィン 訳渡辺政隆

農学者は選抜を用いることで、家畜の形質を変更、改変できる →生物を好きな形や性質に変えてしまえる 何代もかけ、目に見えないような差異を蓄積させ、大きな結果を生み出す 自然淘汰:有利な変異は保存され、不利な変異は排除される過程 性淘汰:品種改良と同…