哲学的素養のあるドイツ人が本書の主人公です。
自身が日本で生活するのにあたり、実際に日本を理解しようとします。
その手段として、弓術を習います。
それは的に矢を当てるスポーツとしてではなく、禅の精神に通じるような、ある意味神秘的とも言えるものとして、道を極めようとします。
現代の一般的な日本人から見てもやや不可解であるそれは、時として奇跡的なものにもなり得ます。
「凄い」
思わずため息がもれます。
せっかく日本人である私たちは、このようなものに触れたり近づけると、生まれてきた甲斐があるように思います。